「年収の壁」を越えて、働く意欲を生かす
臨時国会が始まりました。内外に山積する課題に、与野党が真摯に向き合い、この国の進むべき道を示してほしいと思います。今日は、「年収の壁」について考えます。
私がお付き合いしている中小企業の経営者たちは、業種を問わず、同じ悩みを抱えています。仕事は増えている。知恵を絞り、新しい仕事の道筋も見えてきた。AIを使い、生産性を高める努力も始めている。それなのに、肝心な人がいない。人材が足りない。意欲のある経営者ほど、その悩みは深刻です。
働きたい人がいて、働いてほしい企業がある。それなのに、年収の壁を気にして働く時間を抑えざるを得ない。そんな人が400万人超もいる。(伊藤忠総研)これでは、本人の意欲も、企業の成長の芽も生かしきれません。人手不足に苦しむ現場を見ている私には、制度が働く意欲にブレーキをかけているように映ります。
国民民主党が訴えてきた結果、いわゆる103万円の壁の見直しが進み、年収の壁を178万円へ引き上げることは決まりました。一歩前進です。働く人の手取りを増やし、働き方の選択肢を広げることは大切です。
しかし、壁を動かせば問題がすべて解決するわけではありません。社会保険料の負担や企業への影響も含め、働く人が安心して働ける制度を整える必要があります。
私が何より願うのは、働く意欲のある人が、制度を気にして自ら働く機会を狭めなくてよい社会です。高市政権がいう経済を強くする基本です。
人は働くことで収入を得るだけではありません。仕事を通じて誰かの役に立ち、自分の力を生かし、社会とのつながりを感じます。働くことには、人を前向きにし、生きる張り合いを生む力があります。
だからこそ、働くことが損になる、働くほど不利になると思わせる制度は改めなければなりません。もちろん、誰もが同じ時間、同じ働き方を望むわけではありません。それぞれの事情や選択を尊重したうえで、働きたい人が働ける。頑張った分が手取りや暮らしのゆとりにつながる。その当たり前を実現することが、政治の役割だと思います。
年収の壁をめぐる議論を、数字の引き上げだけで終わらせてはなりません。働く人の意欲を生かし、中小企業の人手不足を和らげ、働くことがきちんと報われる社会へ。臨時国会では、現場の声を受け止めた、実効性のある議論を期待します。Goto


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