編集者の決意

結婚するって本当ですか?
新刊本の情報は何で知りますか?私は新聞と雑誌です。新聞は日曜日、各紙とも読書コーナーが二面に渡り掲載され、それを読みます。定期購読のマガジンには、有名書店での販売ランキングが載り、題名と、一行余りのコピーで、面白そうな本に目をつけます。
でも、年間に発刊される本は多く、新刊に気が付かず、素通りする残念な本もあります。毎年、年末になると、筋金入りの本好きたちが今年の本の総ざらえで紹介してくれる雑誌があります。余り高尚な雑誌の紹介では、こちらが付いてけません。
政治、経済を始め世相を手軽に解析する「お気に入り」雑誌での紹介の場合、見落とした本に「あっ」と気づかされ、慌てて本屋に走り、読み落しを救われ、正月を楽しみ過ごすことができます。
社内報のコラム「導線」で26年間続いた「お気に入り」の隔週雑誌「ダ・カーポ」が休刊になると書きました。発行部数が最盛期の三分の一。雑誌の広告収入の減少は、商売柄、目を覆うばかり、いずれは、と思っていましたが。
先日、社内報の編集を担当する仲間が目頭をチョット赤くして「これ。まだ買ってませんよね」と差し出したのが、表紙に「今年最高!の本」「ヒト・モノブーム・事件の総まとめ」と大書してある12月19日・1月2日合併620号の「ダ・カーポ」。
「今月号をもちまして「ダ・カーポ」は休刊します。26年間のご愛読、本当にありがとうございました。スタッフ一同感謝するばかりです。いつかまた、違った形で、お会いできる日が来るかもしれません。それまで、皆様、どうぞ、お元気で!」編集者一同」と惜別が最後のページに。
私もこの30年で、多くの出版物を発行してきました。この挨拶文に、2007年末をもって休刊するのではなく、新年1月2日との合併号にした、編集者の無念の思いが痛いように分かります。「違った形で、お会いできる日が来るかもしれません。」に捲土重来の決意を感じました。
この最終号で紹介されてる今年の本、全部買って読むぞ。それが、「お気に入り」の雑誌を休刊させてしまった愛読者の、せめてもの償いです。
そう言えば、「結婚するって本当ですか?」って歌がありました。その歌手(榊原広子・正敏夫妻)ダ・カーポって名前だったよね。ダカーポの意味は、イタリア語で「初めから」。雑誌「ダカーポ」は休刊じゃなくって結婚したんだよね。編集者の皆さん、お幸せに。ご苦労様でした。ありがとう。
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