大丈夫かいな。

落ち着いて報道してもらいたいものです。
どうも今週の新政権の話題は、10年度の概算要求についてのようです。過去最大の規模、95兆円を超えたことに対する、評価のようです。
ようです。と、不確定的に言うのは、金額が兆の単位なので、「1丁、2丁」と豆腐を数える以外には想像が付かない額ですので、ようですと。でも、額は別として、過去、概算要求で、こんなに議論がなされたことがあったでしょうか?内容が公開されたことがあったでしょうか?
私の記憶では、例年、9月の初めに概算要求の総額示され、前年に比べ多いとか少ないとかが新聞で報道。12月には次年度予算が決定。語呂合わせで金額を知る程度でした。
つまり、政治の要諦である、税の使い道について、どこで、誰が決めたのか?そのプロセスも、中身も、まったく知らないまま、決められていたことになります。(知らない奴が悪いのなら、いた仕方ないのですが)
新聞の見出しだけ読めば、過去最大の活字や、95兆円と言う額に驚いて、また、借金することになるが「大丈夫かいな」と、不安になるかも知れません。大概の新聞は、そのように煽っています。
が、ちょっとだけ、私なりに解説してみますと。なぜ、過去最大の要求になったか?簡単なことです。新たに民主党が掲げた政策(マニフェスト)を実現するための予算を組み込んだからです。
総枠を、去年と同等の額、88兆円とするならば、去年が過去最高だったので、それを超えれば、過去最高の文字が躍ります。それだけのことです。マニフエストを実行するのが、新政権の使命ですから、過去最高になっても、やもうえない。と言うことになります。
しかし、大幅な借金(国債)をしなくても、マニフェストは実現できるとも訴えてきましたので、予算が増えることは「大丈夫かいな」と、心配になるわけです。
でも、大丈夫です。理由は二つ。一つは、行政刷新会議なるものができ、各省大臣と行刷大臣が、激しいバトルを繰り広げ、過去事業の継続予算を削り、優先順位を組み替えるからです。(これを政治主導といいます。今までは官僚が決めますから官僚主導です)
もう一つは、概算要求はあくまでも概算です。まだ、新政権が発足して1ヶ月。実は、小泉内閣の塩川正十郎財務大臣が奇しくも語った、「母屋(本予算)で、お粥をすすているのに、借家(特別会計)ですき焼きを食べている」と「国会の手の届かないところにある特別会計」を皮肉った有名なセリフがあります。
新政権は、170兆円ともいわれるその「特別会計」にはまったく手を付けていません。
そこには、少なくとも、10兆円以上の無駄があると言われています。
特別会計は「官僚最後の砦(金子元)」。多分、官僚は異常な抵抗をするでしょうが、そこに手を付ければ、マニフェストの実現は、可能です。大幅な借金をしなくても、95兆円規模の予算は組めます。
私がしたり顔で、分かった様な解説をするのも、もおこがましいのですが。
その実例が国交省の「原則として道路関係の新規事業は行わない」として、09年度の当初予算から13%の削減したことですし。仙石行刷大臣の「まだ、特別会計には手付かず」との発言です。
これが、新政権の概算要求の基本的な考え、即ち、自民党政権で旧態依然だった利権構造を変え、経済成長や生活の充実に繋がる予算に組み替えることだと、理解しています。
国家予算、95兆円と聞いても、ピンと来ないのですが、でも、漠然とした「大丈夫かいな」と言う不安は、私にはありません。むしろ、メディアには、概算欲求段階で、そんなに不安を煽らないで、もう少し落ち着いて、丁寧な報道をお願いしたいものです。
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