NHK職員にジャーナリズムの精神はあるのか・・・
メディアと政権・・時の権力・・との間合は難しい。そもそも論を振りかざせば、メディアの原点はジャーナリズムである。ジャーナリズムとは権力を監視し、権力の横暴や独走に警鐘を鳴らすことにある。だが、国営放送であるNHKとなると、そうもいかない。
このほど、NHKの最高意思決定期間である経営委員会の人事で・・安倍首相に近い委員が衆参で同意され、現会長が交代する公算が高まった。世論形成に大きな影響力を持つNHKの会長人事に政権の意向が働くことになれば「報道介入」の危機に直面するのではと・・朝日や毎日が目くじらを立てている。
私的には国営放送であるNHKにジャーナリズムのそもそも論を持ち込むことの方が矛盾ではないかと思っている。社会主義国の国営放送と同義だとは思わないが。国営であることは国家権力の追従報道機関であるということである。問題は追従の度合であり、その度合を監視しするのが国会であろう。
人事には国会同意が必要なのもそのためである。今回の人事で全員を反対した野党は共産と社民両党である。みんな、維新の会は賛成。民主党は4人に反対と変則な態度を取った。安倍首相に近い委員が選出されたから「NHKは私物化」されると言った類の批判はあまりにも短絡的で賛成しかねる。
私物化されるかされないかは、NHK職員の気概とか、モラルの問題ではなかろうか。最近の職員の不祥事には呆れ返る。報道の中身が反権力的とか、中立、公平を貫くことへの批判といったジャーナリズムの本質とはかけ離れた、私欲に走る弛緩した職員の体質が問われては論外。
時の権力である安倍首相がNHKを恣意的に操ろうとしたいのは、むしろ当然であろう。その度合を越すのか越さないのかはひとえにNHK職員のジャーナリズム精神に掛かっているのである。朝日や毎日は、職員の意識に言及すべきではないだろうか。そこに踏み込めないならば、所詮は「犬の遠吠え」といわねばなるまい。Goto
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