「嫌韓嫌中」本の氾濫にいささか・・・抵抗を覚えます。
本の話を二題。広告の基礎的な手法にホップ広告があります。店頭などで商品をアピールする手書きの短冊です。「この商品は格安、新入荷、特価280円」などと書かれ、商品の近くにぶら下げてあるあれです。本屋でも店員さんが本の特徴を紹介した手書きホップをよく目にします。
6/2から全国の書店で「本屋さんイチオシの100冊」(全国169店)フェアが始まりました。「読売こども新聞」の書評コーナー「本屋さんイチオシ」から生まれた企画で、書店員が本音でおススメしてくれます。足を運んで見ようと思うのですが、東海エリアは参加書店が少なそうです。
小学校の図書館でも、ホップ手法が好評で、紹介文をカラフルにデザインしたホップを読んだ子供達が本に興味を持ってくれ、貸し出しも増えているそうです。こども新聞の編集室と書店員の子供にもっと読書をの・・・熱い思いとホップ広告の相乗効果でしょう。
もう一題は、最近の「嫌韓嫌中」風潮に乗って韓国や中国を攻撃する出版物が売れる傾向に疑問を抱いた・・・出版社の若手社員が「今、この国を考える。嫌でもなく、呆でもなく」と題した選書フェアを企画。19名の作家や評論家が協力、全国100書店での本の設置が決まった。
フェアで取り扱われる書籍は18冊。韓国や中国を取り上げた本だけでなく。本の豊かさ、多様性、いろんな本の中から問題に気づいたり、考えたりするきっかけになるよう多彩な本が並んだようです。
出版界は厳しい経営環境から「嫌韓嫌中」本に頼るのも分かるのですが、良書が売れる努力も必要では。怒りを煽る本が売れ、右も左も人々が怒りに支配された状況への鎮静剤ないし、解毒剤になる良書を・・そんな考え方のこのフェアに私も賛成です。
その中の一冊・・・毎日の暮らしの中に「考える」という行為がある。一人一人がそういう「暮らし方」をしていれば、世の中はそんなに間違った方向へは行かないのでは・・そんなコメントのついた大貫妙子さんのエッセー集「私の暮らしかた」を読んで見ようと思っています。
書店員、出版社の良心が息づく二つの本屋さんのフェアに・・・本の大切さを改めて認識しつつ・・・ホップ広告のみならず、広告の役割は、まだまだあるのではないかと思う次第です。Goto
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