日本株式会社の機関紙がグローバル・ビジネスメディアへ挑戦・・・
日経新聞社は英国の名門経済専門紙「ファイナンシャル・タイムズ(FT)」を1600億円で買収したと発表。FTは1888年創刊の英国を代表する経済紙。電子版と紙媒体を合わせた購読者数は73万人。英国・欧州の他米国、アジア、中東版を展開するなど海外市場の開拓に力を入れている。
世界的に新聞メディアは退潮傾向にある。米国のローカル新聞が次々に廃刊され、ワシントンポストやニューヨークタイムスと言われる名門紙でさえ経営難がささやかれ、存続の危機にあると言われる時代。世界有数の経済メディアとなる日経の大きな賭けに活路はあるのか。興味深い買収劇である。
私の持論だが、一般紙に電子化は馴染まない。しかし、グローバル化する経済、眠らない国際経済情報をリアルに把握するには、経済専門紙の電子化は不可欠である。FT買収の意図は、記者、編集者をはじめとする人的資源や報道機関としての価値を手にしたことと、デジタル版の有料読者数50万人に達したFTのノウハウを共有、デジタル時代に備えたことだろう。
それと、日経新聞は日本国株式会社の機関紙だと揶揄されている。その観点からこの買収劇を見ると、日本経済の経常収支が貿易収支の赤字を補い、なお黒字を維持しているのは、企業が海外に保有する資産から得られる配当金や利子である「所得収支」の黒字によるものである。
所得収支の収益を拡大するには、グローバルな経済情報をリアルに把握する必要がある。それには、世界のビジネスメディアからの情報が不可欠である。FTからの情報は日本経済の継続的繁栄に重要な役割を担うことになる。つまり、この買収劇は国策に合致していることが背景にあるのではと見ている・・
ぜひ、日本経済の発展のために、グローバルビジネスメディアのもう一方の雄・ウォール・ストーリート・ジャーナルと凌ぎを削って世界経済最大、最強のビジネスメディアに育って欲しい。Goto
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