食品ロスの削減は国家の重要課題です。
「しまつのこころ条例」ってご存知ですか。
15年に自治体で初めて京都市が「食品ロス」削減をうたった条例です。
京都市は市民1人あたりの家庭ゴミ排出量が1日399グラムと政令市では最小だが、
それでもできた条例です。京都市民の心意気とでも申しましょうか。
この10月から「食品ロス削減推進法」が施行されました。
農水省と環境省の推計では国内の食品ロスは643万トン。
1300万人の東京都民が1年間に食べる量に匹敵します。
世界には飢餓に苦しむ人たちが20億人もいるというのに、「大自然の恵みに感謝が足りません」
何ともおぞましい話だと思いませんか。食品ロスの削減は国家的課題です。
この法律を機に、真剣に取り組まねばなりません。
食品ロスは二種類あります。事業でのロスと家庭です。
事業ロスを金額で換算するとスーパーで年間4490億円、外食産業で2986億円、
更に廃棄、処分費が加わります。総排出量の4割が家庭のロスだそうですから、
合計すると約1兆1千億円のロスってことになります。
それに生産者が商品価値がないとして、廃棄せざるを得ない食料品を加えると、
その倍になるのではないでしょうか。とんでもない額だと思いませんか。
「新法」では自治体の責務を明記。推進計画の策定、政策立案、消費者の啓発などを
盛り込んでいますが、罰則などの強制力がないため、お飾りの法案で終わる可能性があります。
政府は、業界の「3分の1ルール」と言われる、
賞味期限まで2ヶ月もあるのに食品を捨てる商習慣を見直すように要請しています。
京都市の「しまつのこころ条例」では、家庭の食品ロスを毎月5,000円相当捨てられていると
試算して「3キリ運動」(食べきり、使いきり、水切り)を奨励しています。
今や、食品ロスは経済的な損失だけでなく、飽食の時代が招いた
「日本人のモラルハザード」が瓦解している問題ではないかと思います。
「しまつのこころ条例」の「しまつ」は「もったいない」の精神に通じる「京ことば」です。
我々一人ひとりの意識の問題に帰着します。
食べ物は大自然が人類に与えてくれる「最大の恵み」です。
それを平気でロスしないよう、心掛けたいものです。Goto
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