機能性食品を定義する、厚労省に責任はないのか?
おいおいおい・・・どうしてそうなるの。
大問題は大問題です。消費者庁は機能性食品のサプリメント「紅こうじ」を摂取した人の健康被害が相次いでいるとして届出のある全約6800製品について緊急点検すると表明した。
整理しよう。「紅こうじ」の製造元は小林製薬です。腎疾患で死者が判明。当初6人だとされた入院患者数が80人に膨らんでいる。健康被害がどこまで広がるか見通せない状況だ。メディアが一斉に報じたことで、摂取の中止を呼びかける効果があったと思う。同時に小林製薬の5種類のサプリメントは自主回収される。
問題は原料が50社以上の食品会社に供給されていることである。それも大半が大手。大塚食品・紀文食品・宝酒造・竹屋などなどである。企業は自主回収を発表した。まずは市場から「紅こうじ」入りの商品が消える。当然な処置である。
二つに、厚労大臣は「原因究明の調査をしている間、行政への情報提供を行わなかったのは遺憾だ」と述べた。厚労省は問題発生から2ヶ月超、小林製薬が行政に報告しなかったことを問題にしている。
その意図はこんなにメディアが大騒ぎを起こすような問題を引き起こして・・知らん顔ではメンツ丸潰れだ・・との官僚軽視を憤っているのかも。そもそも論だが「悪玉コレステロールを下げることに役立つ」機能性表示食品を認めたのは誰だ。専門用語は避けるが三共薬品が数千種類の青カビの一種からコレステロール合成に関わる酵素を阻害する物質「メバスタチン」なるものを発見した。
そして「紅こうじ」からメバスタチンと化学構造の似た物質が分離された。その一つが「モナコリンK」。米国の製薬会社がコウジカビから「ロバスタチン」という物質を発見・・ロバスタチンとモナコリンKは同じ物質と判明。米製薬会社が商品化、今ではコレステロールを下げるとして世界中で4千万人が飲んでいるポピュラーな薬である。
ただ、問題は紅こうじカビの一部には「シトリニン」という腎障害を起こす毒物を産生する株がある。実際にEUでは14年に紅こうじを使用したサプリメントに含まれるシトリニン濃度の基準値を定め、注意喚起を行っている。ここらがこの問題の本質ではないだうか。
でです。機能性表示食品とはなんぞや。国はどう規定しているのか。国が定める定義がある。食品には三つの機能から成る。栄養素やカロリーを供給する「栄養機能」が1次機能。味や香りを感じさせる「感覚機能」が2次機能である。その上で疾病防止の回復や老化の抑制といった「体調調整機能」を3次機能と規定している。そうなのです。3次機能になると医薬品との区別が曖昧になる。でも厚労省は機能性食品の3次機能を認めているのです。
被害が起こった、小林製薬の「紅こうじ」は機能性食品です。
「機能性食品」の全6800製品を検証する意味がわからないではないが
それは乱暴に申せば今後の厚労省の責任逃れに過ぎない。
この問題、いずれは原因が特定されるでしょう。
その際、小林製薬には「重大な過失が確認される」ことになるかも知れない。
販売停止などの行政処分が下される可能性もある。もうそこに話が移っている。
でもです。全機能性食品6800製品を検証する意味はないと思う。・・一つの問題を一罰百戒のようにして、自由度を奪う。そんな考え方にこの問題がすり替えられるとすれば。健康食品の業界に大きな影響を与えることになる。
そこまで考えているのか。厚労省に問いたい。Goto
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