読売新聞の見解は?

教科書のデジタル化・校長たちの懸念に・・・・

新聞命(しんぶんいのち)の私です。
読売新聞の「全国の小中学校長」のデジタル教科書についてのアンケート、
一考の価値があるのではと思います。

日頃は何をやるにも後手後手の文科省だが、何をとち狂ったのか
デジタル教科書だけは妙に前屈み。21年度から急激に配布を始め、現在は小5〜中3の英語と数学・算数の一部で使えるようになっている。

因みにデジタル教科書とは「紙の教科書の『代替教材』との位置付けで
紙と同じ内容をデジタル化したもの。一人一台の学習用端末のこと。
コロナ禍で休校となり、急速に推進された。

校長っていうのは基本的には保守的な立場です。(だから先進的な教師はなかなか学校長にはなれない)デジタル教科書の有無についてのアンケートを取れば、
拙速な代替には反対と答えるのが95%になるのは想像に難くない。

教科書は紙をメインに使い、デジタルを補助的に利用するのが妥当。
「国は現場の実態や科学的根拠を踏まえて慎重に判断して欲しい」となるのは
分からないではない。さらにはデジタル先進国のスウェーデンなどで学力の低下の原因がデジタル教科書にあると紙の教科書への回帰が進められていることも
その後押しになっている。

校長たちのデジタル教科書への懸念は「生徒に包丁の使い方を教えないで、
調理実習を急ぐのは間違い」「学習用端末を使って授業中にゲームをしたり、アイドルやアニメの画像を検索したりで生徒が学習に集中できない」が中心である。

私は現役校長たちの懸念にこんな風に思う。
まず、教師にデジタル知識があるのか?生徒よりもデジタルに理解がない教師が多いのではないか。もちろん。校長もである。であるとするならば、懸念は理解できる。自らが不安なのである。

二つに今や時代はデジタルを抜きに生活を送ることはできない。
それはスマホやPCの扱いの問題ではない。あらゆる生活必需品にデジタルが組み込まれている。教科書だけを紙に据え置くことは時代の流れに逆らう人材を養成することになる。その意識を教育現場も持つべきです。

三つに、デジタルの弊害と申しますか、負の部分に対して、社会が追いついていない現状で、教科書を急いでデジタル化すると弊害が出るのは当然です。その弊害が取り除けないままデジタル化に踏み切ったのは文科省です。現場に押し付けられても混乱が生じるだけ。それが懸念の本質ではないか。

さて。どうするか。アンケートを実施した読売新聞はそこまで踏み込んではいないが、読売にはアンケート結果から導き出されるべき、デジタル教科書のあるべき姿・見解を示して欲しい。教育は国家100年の計なのですから。それが新聞の価値です。Goto

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