銀の匙をくわえて生まれた候補者、庶民の真実はわかるか。
10月4日、自民党総裁選の投開票日である。今日、5人の候補のうち、誰かが新しい総裁となり、日本の舵を握ることになる。
だが、自民党は公明党と連立を組んでも衆参で過半数を持たず、維新か国民か参政党との協力なくして政権を維持できない。
いわば「パーシャル連合」の時代に入ったといえる。
そんな朝、日経新聞の一面コラム「春秋」を思い起こす、
自民党の衰退と政治停滞の本質を突いた言葉に膝を打った。
候補者たちの口からは、給付、減税、補助金と、お金を「使う」話ばかりが並ぶ。しかし、その前提となる「稼ぐ」という営みへの想像力が乏しい。
税金は、国民が汗して働き、心血を注いで稼いだ金から支払われている。
その重みを、本当に理解しているのか。
私は、作家・宮本輝の『道頓堀川』を思い出す。寄る辺なさに塞ぎ込む学生に、喫茶店の店長が語りかける。「夕日や星を見るよりも、夜の繁華街を見ろ。そこには必死で生きる姿がある」。
学生はやがて「みな自分自身であるかのような思い」に慰められる。必
死に稼ぎ、必死に生きる姿の中に、人間の真実があるのだ。
果たして、今日審判を受ける候補者たちは、月末の支払いに悩み、住宅ローンに不安を抱く庶民の暮らしをどれほど想像しただろうか。
高齢者福祉を唱えながら、10月から後期高齢者約310万人の医療費が2割負担に増える現実には口を閉ざす。最低賃金の引き上げが始まれば、中小零細企業の存続はますます厳しくなるのに、その声を代弁する者もいない。
「意識高い系」の問題に熱心な与党リーダー候補。
既存の野党は、庶民の「普通の暮らし」から目をそむけ、
相変わらず既得権益の影に隠れている。
これでは有権者の心が離れるのも当然だろう。稼ぐことを忘れた与党と、訴える力を失った野党。日本政治の停滞は、この二重の不在にこそある。
とはいえ、新しい総裁は今日、必ず選ばれる。その姿を私は虚しさとともに見守るしかない。苛立ちは募るが、どこに持ち込むこともできぬ。せめて『道頓堀川』の店長の言葉を胸に刻み、夜の繁華街を歩く人々の必死の姿に、自らを重ね合わせたい。政治家に見えていない「庶民の真実」は、そこにこそあるのだから。Goto
コメント
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外国人をヘイトしたり、人を貶めたり、同性愛を否定したり、女性の権利を拘束したり、優位に立とうとするのは、日本人という存在が弱いから? 優越感の正体は劣等感です。余裕がないから自分たちより弱いものをいじめる。敵対国をつくる。まるで劣等大国日本です。
朝ドラのあんぱんを見てれば高市さんの応援団からは非国民の朝ドラだと批判する。あんぱんは寛容、多様性、相互理解への物語で、戦争批判だと解釈することがどうにかしてます。
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びっくりぽん!です。
明日からどうなるのか?
どうする高市?
心配ですね