手帳(その2)

あの暑い夏よりも熱かったか?
毎年、同じ手帳を使っている。15冊になった。日経BP社版。三冊で一組。表紙にはK・GOTOのイニシャル。何の変哲もない手帳だが、ビジネスマンにはシンプルで使い勝手が良い。三冊で一組、一冊は勿論私が持つ。他の二冊は、総務で管理。スケジュール調整を任せている。
最近、手帳は携帯が主流。何度か、試したが、全体を把握するには、やはり手帳が扱いやすい。手垢や欄外メモに濃淡があり、記憶力が緩慢になったと嘆くこの頃、生活臭がシーンを呼び戻してくれる。
7月。日本人は農耕民族。冬に耕し、春に植え。夏に育て、秋に収穫。たとえ、その年が不作であっても、十分な実りを得なくても、秋には、五穀豊穣を感謝し、来る年に豊作を祈る。我社も創業30年を迎えることができた。上場のステージに立てた。感謝を収穫祭と銘打ち、社員と喜びを分かち合った。
8月。考えてみると、お盆は祭日ではない。今年から全社的な盆休みを止め、個人で都合の良い日を三日間とした。10日の金曜と12,13日の土日に休みを貰った。13日から休む人が多く、結果は開店休業。盆休み、日本人の生活に染み込んで入るんだなーと実感。
9月。岐阜県の観光地。飛騨高山と世界遺産、合掌造りの「白川郷」に二度。遠来のお客様をご案内。高台から見る萱葺き屋根の集落。役場OBの「味のある解説」。何百年もの間、豪雪に耐えて生き続ける、飛騨人の生活の知恵「結の文化」に「集団の生き方」を学んだ。
10月。JLAA(日本地域広告会社協会)ブロック会議。ほぼ、全会員(56社)と懇談。仙台を皮切りに九州福岡まで、日本列島を駆けた。疲弊する地方経済の実態。生き残りを賭けたサバイバルなど現状を認識、成功事例を共有した。協会の「使命」や重し。
11月。手帳の日にち全てに◎印が。良いことあったのか?違う。違う。ブログを書いた日に◎を付けている。まだ、まだ、ブログに力が入ってる。未熟者目が!「渇!」だ。肩の力を抜いて。と自省。
12月。十数年余、我社のネット通販部門を支えてくれた、有能なスタッフが「寿」退社。鋭く「ここがおかしい」「ここはどうなっているんですか」とメールで叱責。至らない私に、ドキっと、気付かせてくれた。「感謝です。ありがとう。」落ち着いたら、また、一緒に働ければと願う。おめでとう。幸せに。
この4月、心の支えであった友が、旅だった。商用で葬儀に参列できなかった。盆明けのジリジリと太陽が照りつける8月23日、墓参に福島を訪れ、お別れした。残念無念。寂寥の極みだ。
まだ、手帳には五日間、日にちが残っている。でも、この手帳とは、2007年とは、今日で別れ。惜別の我が友に問いたい。「あの暑い夏よりも熱く、この一年を生きただろうか?」と。
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