ブラックボックス

とても法治国家とは思えない
嫌な事件を書きたくもないが、厚労省の元高官が殺害された事件。
「愛犬を保健所が・・・・」との動機、イマイチスッキリしない。そのせいもあるのか。妙に頭の隅に残る。
社会に対する不満が引き起こしたテロなら、政治家を狙うのだろうし、経済的な義憤であれば業が対象だろうし。なぜ?官が襲われなければならなかったのか?
不遜を覚悟で、感じたままを述べれば、官が狙われたということは、日本の権力構造の中心である政財界に。テロの対象となるほど、社会を牽引する力ある政治家が居なくなった。経済界を席巻するほどの財界人もいない。
ま〜言ってみれば、政治家も財界人も専門性がなくなり、平準化したと言うことなんだろう。いずれも我々庶民と、考えていることや、やっていることに変わりがない。隣のおっさん程度ってことを意味する。
その原因は、メディアが指導者を茶化しすぎるのかも知れない。その結果、社会のリーダー的立場の人達に国民が畏敬の念を持たなくなった。それを裏返せば、自由な国である。オープンな社会であり、民主的な国だともいえる。(しかし、凶悪事件が頻発するようでは、法治国家とはいえない)
ただ、この国で唯一、陰湿な権力を掌握したまま、クローズされた組織は、官僚組織だけ。政治家は政治資金は徹底的に公開が義務付けられ、一円の単位まで明らかにせよと、世間に迫られる。家内まで身包みはがれる。企業も開示義務が厳密に決められ、四半期ごとに丸裸になる。
しかし、官僚組織だけは、治外法権のブラックボックス。厚労省の薬害エイズ資料隠匿事件などはその最たる例。秘密主義は徹底している。とても法治国家とは思えない。
社会が長期に亘り、閉塞状態にあり、ここに来て、経済までもが壊滅状態。国民の間には過剰なストレスが溜まる。そのはけ口が、開かれた社会の中に残る唯一の権力機構である官僚組織がブラックボックスであれば、そこに向かうのは容易に考えられる。
ましてや、その権力は政治家や財界人を凌駕して日本国に君臨している。との報道が日夜なされれば。とても理不尽で、恐ろしいことだが、この嫌な事件の動機を、そう見ている人は多いのではないか?
この事件の遠因に、マスメディアがあるとは、言いたくないが。
衆院を早期に解散して、官僚組織の実態を暴け、国民のストレスを解消せよ。との二ヶ月前の論陣は何処に霧散したのか?
健気に尻尾を振る隣家の犬を見ながら、嫌な世の中になったな〜と、眉をしかめる。
                      Goto
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