匿名ネット社会を憂う
情報過多の時代ですが、その割には、とても恐ろしいと思う事があります。
それは、同じ話題を誰もが口にすることです。
メディアの端っこで広告の仕事をする立場からすれば、国民が同じ話題を口にすることは、マスメディアの浸透率が高い。その結果、広告の到達率も高い。広告効果がある話ですから有りがたいことですが。
話題についての批評も、評価も同じでは、没個性。
平均的で、平凡な民族になり下がってしまう気がします。
読売新聞のスクープですが、警視庁が、匿名で、男性タレントのブログを必要に攻撃した17歳〜45歳の男女18人を名誉棄損容疑で刑事責任を追及しました。
集団でブログに事実無根の誹謗中傷を書き込み、相手を攻撃して、血祭りに上げることをブログ「炎上」と言うそうです。韓国では女優さんが追い詰められて自殺。重罪の「サイバー名誉棄損罪」新設されるようです。
最近は日本でも有名人以外の一般市民に矛先が向けられ、精神的なダメージを受ける人が増えています。恐ろしいことです。私は以前から、匿名社会を日本に蔓延させてはいけない。と、訴えてます。
なぜなら、匿名で人を中傷しますと、そこに快楽が生まれます。その快楽は病に繋がります。想像してみてください。深夜、一人、パソコンに向かい。特定の人間に向って、こそこそしながら、人の批判をする。そんな卑怯な病いを持つ人間を創っては、日本社会が滅んでしまう。
「匿名ネット社会」を放置してはいけない。その立場から警視庁の、この断固たる摘発に敬意を表します。そもそも、ネット上では、匿名は存在しないのです。国家権力がその気になれば、特定できるのです。軽い気持ちで始めたことでも、名誉棄損は許されないことを知るべきです。
私は、古いのかも知れませんが(古いんです)、人を傷つけたり、批判すれば、その報いは必ず自分に返ってくると信じています。めったに批判はしませんが。批判するなら、堂々と名乗りを上げて批判します。
そして、一度批判したら、中途半端で妥協しません。和解するか?
相手が白旗を上げるまで徹底的に戦います。受けるであろうしっぺ返しも覚悟して批判します。
「匿名ネット社会」がなぜ、蔓延するのだろうか?持論です。
一つは、まだ、今日の朝刊各紙を読んでませんが、読売のスクープに、どの新聞が追従するか?たぶん、朝日も毎日も淡々と書いても、社会派と称するエセ知識人が、匿名者の権利とか、国家権力の介入とかを認めないとの論調で、匿名を容認する。この思想が偽善です。悪病を蔓延させます。
もう一つは、そうです。みんなで渡れば怖くない。マスメディアの高い浸透率による、国民の同質化です。その結果、誰かをターゲットに誹謗中傷が始まりますと、それに、こぞって乗ることに違和感を覚づ同調する。没個性化がもたらした結果だと思っています。
世の中は情報社会です。ネットがその中心に位置するのも重要です。しかし、ネットは、その使い方で、人を殺すこともできます。恐ろしいメディアです。文明が不幸をもたらすことは歴史上数多くあります。
警視庁のブログ「炎上」に対する毅然たる態度を警鐘として、同じ話題を誰もが口にする社会、
陰湿な匿名ネット社会の情報過多を、ここらで考えてみる必要がありそうです。
Goto
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