自民党は路線論争を深める時期ではないか?
国会の代表質問。「こんな私(財政)にしたのは誰なの!!」「あんたに言われたくないわ」こんな刹那的文言で、首相が財源問題を切り返す場面に、思わず息を飲んだのが野党総裁。そんな図でしたね。
さらに、普天間の移設問題を「10年以上も結論を出さなかったのは、どの政権か」とも・・・・・・。この国会どうも、「昔話(前政権)を持ちだされる」と野党自民党の按配は宜しくない。
民主党を「高福祉・高負担」と決めつけ大きな政府路線だと批判する谷垣自民党総裁が「中福祉・中負担」の「中位の政府」路線では、朝日が社説で「谷垣総裁・自画像を示せ」と批判するのもうなずける。
政権交代から、まだ40日。野党になった自民党に国家ビジョンを示せと言うのも、酷なのかも知れない。読売が社説で問う、「衆院代表質問・財源と安保で議論を深めろ」が、精一杯かもしれない。
でも「こんな私(財政)に誰が・・・とか。10年もほっといてどうしてくれる・・・・」と言われては。読売の援護射撃にも無理がある。自分像を描くにはもう少し、時間が掛かるのかも知れない。
自民党の路線。北大の中島岳志準教授が指摘するように、保守リベラル。小さな政府・新自由主義。と「保守」ナショナリズムの三つの路線が生煮えのままで、国会論戦がスタートしてしまった感がある。
複雑な社会、明確な路線が打ち出せないのは分かるが、「マニフェストや、公約は絵にかいたモチ」で、政権与党にはなじまないという、50年に及んだ政権党としての「政策軽視」の姿勢を正さない限りは、路線論議もできないのでは・・・・。
私は、自民党に政権交代可能な野党に早く育って欲しいと思う。それには、分裂さえ辞さぬ覚悟で、三つの路線を煮詰めるべきです。しかし、少なくとも、民主党の路線は三つの路線のうち「保守リベラル」と大差がない。
また、小さい政府・新自由主義は破綻した(私は新自由主義は破綻したが小さい政府論は必要だと思うが)。とすると、「保守」ナショナリズム路線ををしっかり論議して、自らの自画像を描く以外に道はなさそうである。
このままでは、チャレンジャーの自民党が、予算委員会などで、如何に攻撃しようとも「あんたに言われたくないわ」の一言で、逆にサンドバックにされそうな気配だ。
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