日曜に考える

新聞の論じる姿勢を良しとする。
電子社会です。インターネットを駆使すれば、大概の情報が入手出来る時代です。
新聞社は如何なる紙面を提供すれば、電子社会に、生き残れるのか。腐心が続いています。
ニュースキャスターの安藤優子さんが、朝日新聞のオピニオンのページで「自戒を込めて言うのですが、政権の支持率が下がっただけで、暗雲が立ち込めた、などと使い古された言葉を多用するような報道、揚げ足取り的な批判に終始する報道には、もううんざり」と、マスメディアの報道姿勢の陳腐さを嘆いています。
私の持論です。新聞が、いつ、どこで、誰が、何をしたか?そんな、基本的な情報を提供する時代は終わった。むしろ、時事や事象に、新聞社としてのスタンスを明確にして、意見や見解、所信を述べ、論陣を張るスペースを増やさねば、新聞価値はないと思っています。
日経新聞が、昨年の10月から、読み応えのある「日曜に考える」の掲載をはじめまし。
なぜ、日経が一番読まれない曜日を選んだのか?折角の紙面。勿体ない気がしますが、ビジネスマンにとっては、日曜も手を抜かず思考回路を働かせよ、ということなんでしょう。
新聞は言論の府であらねばならない。読者が減少するからと、迎合するのは間違いです。
電子社会です。情報入手手段は多様化したのです。新聞が「何が起きたか」を掲載する必要はありません。掲載しないからといって、読者が減るわけではありません。元来、新聞を読まなかった人たちが、生活習慣としての、新聞購読を止めたに過ぎないのです。
怖れず、新聞の質を変えて欲しいと思います。
新聞を読む人は、社会に影響力がある人です。影響力のある人は、新聞の購読を止めません。むしろ、新聞を読む人のために、「何が起きたか」を報じるのではなく、「どうあるべきか」を論じる方が、理にかなっているのです。
日経新聞の「日曜に考える」。すべてを読んでいるわけではありませんが、論じる姿勢や良し、と言わねばならない。私はこの編集姿勢を貫く限り、新聞は生き残れると信じます。Goto

コメント

  1. Goto より:

    山崎豊子さん原作の「運命の人」
    TBS系列で放映され、ビデオで見ましたが、なかなかの力作。沖縄返還密約を暴いた記者が権力に潰される姿を描いたのですが。あれ以降、新聞の権力迎合が始まったんですね。昨今の新聞凋落の遠因ではなかったかと。 Goto

  2. より:

    ビジネスマンが仕事のヒントを得たり市民が生活の知恵を学んだりといった、命の吹き込まれた新聞を期待しています。