したたか

海外M&A、3兆4904億円、過去最高デスって。
国際金融情勢の話をすると、すぐに、新自由主義だとか。市場原理主義だとか。富の集中や蓄積が進み貧富の格差を拡大させる。あるいは小泉・竹中政権が三位一体改革で地方財政を破壊したなどと、とんでもない被害妄想や誇大妄想にまでに飛躍、冷静さを欠く批判が巷を席巻する。
なぜ、そうなるのか?それを論じるつもりはないが。
日本人は崇高な理想主義者で、社会の格差は一切認めず。悪はすべて駆逐されるモノ。無菌状態がこの世の最善であると信じているからではないかと、笑っちゃうのではあるが。実は笑ってる場合ではない。
先頃、来日したIMFの専務理事。目的は経済危機予防のため、日本の経済・金融情勢監視の一環として、専門家を派遣。政府や日銀、産業界から情報を集め、経済の安定や生活水準の向上に繋がる政策の助言(IMF協定4条に基づく・日経新聞)だが。
昨今の為替相場に言及、「円はいくぶん過大評価されている。その大きな要因は安全資産への資金逃避だ」「昨秋以降、欧州債務危機で流入した短期資本が円相場を押し上げ、企業や家計の心理を圧迫している」と行き過ぎた「円高」に異例の指摘を行った。(日本で指摘されても、困るのだが)
更には、日本の政府債務の残高の大きさについて「歳出削減を強め、歳入増加は消費税の引き上げ15%」を提言した。くだんの理想主義者なら、新自由主義の戯言。そんな話は聞けない、余計なお世話だと、一喝するであろうが。国際金融情勢、そんな単純なものではない。
今年の1から6月。日本企業(大手だけではない、中小の企業もである)は海外企業との合併・買収(M&A)に大きく舵を切った。件数は262件。3兆4904億円。世界全体のM&Aが2割減少する中で、日本企業が際立っている。(それも、10億未満が全体の4割を占める)
と、いうことは、日本企業は円高やそれによっての潤沢な手元資金を背景に世界戦略を推し進めているってことになる。つまり、IMFの専務理事が「円高は、異常だ」と認識力してるうちに、円高メリットを生かし、したたかに、したたかに、頑張って、収益をあげ、他国の企業買収。グローバル化を推し進めている。
それが、国益であり、この国の富を維持する唯一の道だと信じているからである。(実態は、日本からの脱出かもしれないが)それにしても、消費増税反対を唱えれば、国際社会で生き残れると、思っている人は幸せですね。世の中、したたかな人達に支えられていることも知るべきだと思うのですが。Goto

コメント

  1. レモンハート より:

    こんにちは。
    >海外M&A、3兆4904億円、過去最高!
    すごいことですね。
    頑張ってもらいたいです。
    ただ、銀行の公的資金返済がゼロ。一時良くなった日本経済が、着実に悪化してます。その状況で銀行が再び体力をなくしていることも事実です。地方も地方銀行も地方企業の体力の限界も近いかもしれません。財政もまったなしですが、地方の体力もまったなし。
    難しい問題すぎて、うまくまとまりませんでした。すみません。