策士と錯視

数理視覚科学っていう数学の分野が、広告をARTに変えてくれるかもしれません。
広告の仕事をしていますと、ARTに興味が尽きませんが、新聞ってほんとうに素晴らしいって、思います。下の紙面(日経新聞8/9付・朝刊・ART. REVIEW)少し拡大してご覧ください。
ハートが並んでいる画像を、斜めに動かして見て下さい。ハートが動き出します。
続いて。左の円。中心点を見つめながら、前後に動かして見てください。文字が回り始めます。
それから。左下のオレンジの画像。上下に。文字が左右に揺れます。
新聞紙に印刷された画像が、明らかに浮かび上がり、クルクル回り、揺れ動くじゃないですか。
立体的に動きだすじゃありませんか。凄いですね。だれが、紙は平面だと決めつけたのでしょうか?この技法、紙媒体の広告技術に使われるようになるでしょうね。
開発者は東京大学の数学教授で「数理視覚科学」の研究成果だそうです。
心理学でも、脳科学でも、視覚工学でも、色彩や明暗、デザインやレイアウトとも関係ない。
からくりは「人間はモノを目で見ていると思いがちだが。実は脳で見ている」「目を通じて捉えた色合いや光の強弱などの情報を、脳が過去の経験を踏まえ、未来を予想しながら読み取る」「その脳をコンピュータに見たて数理モデルを作りあげた。ものの見え方は色や明暗、線の向きなどの影響を受ける」「その複雑な視覚の動きを数学で代用することで錯視を再現することに成功した」となります。
三枚の画像は、数理視覚科学によって、導き出された「客観的な事実とは違った見え方をする現象、これを視覚の錯覚で、錯視というのだそうです。広告の仕事をするものには策士が多いと言われますが。これが、本当の錯視。
近い将来。この錯視を活用した、新たな広告展開が、お目見えするのではと、日経新聞のART. REVIEW(毎月・第二木曜日掲載)に目を凝らしました。新聞って情報の宝庫ですね。Goto

8/9日本経済新聞

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