企業再生

細谷英二さんのご冥福を祈る。
企業再生で重要なこと。取り分け、インフラ産業を含めた規制業種は許認可により、ビジネスモデルや収益が左右される面があるが、まずは顧客の信用なしに持続的発展はあり得ない。
その典型が電力産業。これまでが恵まれ過ぎ、それぞれの地域で城を守ろうとしてきた。でも、やっていることは顧客の共感を得られず、経営の「見える化」を図ろうとしない。
原発事故が起きた東電。現場と本社にズレが。経営方針を共有化できないまま時間が過ぎた。
世の中の期待に応えるという座標軸を見失うと経営はおかしくなる。
東電再生で難しいのは政府の原子力行政や中長期のエネルギー政策が決まっていないため、廃炉費用、賠償といった企業として責任を持つ土俵が固まっていないこと。この中で、事業再建実行するのは非常に難しいテーマだと東電の再生分析・・・・
一方この秋に株式を再上場するJALの再生は旧国鉄の改革と似ている。企業再生支援機構の自立の枠組みを取り付けた。旧国鉄が清算事業団に過去の過剰負債、資産、人員をきちんと切り分けたように、JALは稲盛和夫さんら新経営陣の下で生き残りに向けた営業方針や撤退する分野もきちんと線引きした。だから、早期債権が可能になった。
と、日経ビジネスの経営教室「企業再生の極意」で語るのは、旧国鉄の再生に辣腕を古い。03年の金融危機で合計3兆円の公的支援を受け実質国有化されたりそな銀行の再生にメドを付けた細谷英二さんである。
JALを再生させた稲盛和夫さんは、リーダーの条件として、ビジョンを高く掲げる人。メンバーとビジョンを共有できる人。フィロソフィーのある人。業績向上の仕組みが作れる人でなければと、4つ条件をあげている。
岐阜の片田舎から日本のしかるべき経営者を仰ぎ見ていて、細谷英二さんは、公的企業再生の第一人者。稲盛さんが条件にあげる希代なるリーダーであると敬意を表していた。願わくば、日本国のために、東電再生にもう一働き願いたいと期待しながら、日経ビジネスの細谷英二の経営教室を読んだが・・・・・
その細谷英二(68歳)さんの急逝の報に接し、国家的な損失であると、嘆かざるを得ない。残念無念。細谷英二さんのご冥福を心から祈る。Goto

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