完走した私の忍耐と根気を褒めてやりたい。
宮本輝さんだから。「読み始めて、私はすぐに投げ出したくなった」「でも気になって、3回読み返し、強固な文学観を土台とした稀に見る特異な才能だ」と選評されていますが・・・
タダの本好き。新し物好きの私は。「すぐに投げ出したいのを。意をつよくして。ひらがなのお経を読むがごとく。投げ捨てた文藝春秋を3度も、拾い直し。マラソンランナーが。意地で完走したような気分で、一応αの道からもβの道からも無関係に」必死で最後まで読破したが・・・
芥川賞に選ばれた黒田夏子さんの「αβさんご」のことです。
私の完走評は。多分。親子二人の家庭に。家政婦さんがきて、平穏な家庭が微妙に変化してきた・・そんなストーリーだと思うのですが。あとはさっぱり。「やわらかい檻」の項・・・かゆみをもたらす小虫飛来からねむりをまもるために・・・・やわらかい檻のつられはじめる新しさ、つられやむ新しさをくりかえして甘くうずいた」の蚊と蚊帳のところだけが・・・微妙にわかるのですが・・・
残念ながら。私の能力では。何処をどのように走ってきたのか。コースの全容も、景色も。何も見えずに完走したようなもので。走ったことが間違い。そんな気分です。作品を云々カンヌン言うよりも・・・読解力のなさを恥じ入るばかりです。
さらに。正直なところ。選者の選評も、宮本輝さん以外、何を評価して受賞作にしたのかもよくわかりません。でも。文学観がしっかりした凄い作品なんでしょうね。作者が往年のNHKアナウンサー下重暁子さんと早稲田で同級だと知り・・・ヘェ〜。と驚いただけです。
それにしても。75歳を話題に。本を売ろうと企てる出版社の商魂には敬意を払いたいと思います。私的には。出版社の煽りに乗って、今月も文藝春秋を購読。そして、「αβさんご」を完走した忍耐と根気を褒めてやりたいと思います。
日本は高齢社会です。最近の新人作家の登竜門とは。若者を高齢者が閉ざす門でもあるのかと思うと。何と無く、寂しく思うのは私だけでしょうか?
因みに宮本輝さんの「水のかたち」には心が揺さぶられ、魅せられました。Goto
コメント
コメントありがとうございます。
レモンハートさんの作るスパゲッティとピザが食べたくなりました。Goto
こんばんは。
僕も、古臭い考え方かもしれませんが、
本は、テクニックより生きる糧となるものを求めてしまいます^^
僕の生きる糧となった好きな言葉は、
山本周五郎の作品にでてくる
「苦しみつつ、なお働け、安住を求めるな、この世は巡礼である」です。
この世は、巡礼なんですね。
人は、ひとつ山を越えても、またひとつ山を越えなければいけない。次々にいろんなことが巡ってくる。仕事に病気…。それでも、
「苦しみつつ」と、「なお」。
2つの言葉が、今のおまえのままでいい。
そのまま、前を歩きつづけろ。
と、背中を強く押されているようで、
大好きなんです^^
明日も、明後日も、1年後も、
苦しみつつ、なお、働いていきますー^^