原発ゼロ

トイレなきマンションをつくってしまったんですが・・・・
じぇ、じぇ、じぇと驚いてはいけないのですが。あの小泉純一郎元首相が筋金入りの「原発ゼロ」論者だったとは、毎日新聞の「風知草」(8/26・朝刊)を読むまで知りませんでした。その理由が小泉さんらしくて面白い。(面白がっては行けない問題ですが・・)
4月、ある財界のシンポジウムで経営者が口々に原発維持を求めた後、小泉さんが「ダメだ」と一喝、一座がシュンとなった。その直後、小泉さんはフィンランドの核廃棄物最終処分場「オンカロ」見学を思い立ち原発関連企業に声を掛け、原発賛否を超えた視察団が編成される。
「オンカロ」は世界で唯一着工された核廃棄物の最終処分場。2020年から一部で利用が始まる。原発の使用済み核燃料を10万年「オンカロ」の地中深く保管して毒性を抜くという。
帰国後小泉さんは「10万年だよ。300年後に見直すって言うが、みんな死んでるよ。日本の場合、そもそも捨て場がない。原発ゼロしかないよ」「今すぐゼロは暴論との声もあるが逆だよ、逆。今ゼロを打ち出さねば、将来ゼロにするのは難しい。野党は原発ゼロ賛成だ。総理が決断すればできる。あとは知恵者が知恵をだせば良い」と明快。
小泉節は更に「戦はシンガリが難しい。撤退が。昭和の戦争だって満州から撤退すればいいのにできなかった。原発を失ったら経済は成長できない。と経済界は言ったけれど、そんなことはないね。昔も満州日本の生命線言ったけど、満州を失っても日本は発展したじゃないか」
「必要は発明の母って言うだろ。敗戦、石油ショック、東日本大震災。ピンチはチャンス。自然を資源にする循環型社会を日本がつくりゃいい」と威勢がよい。「風知草」のコラムニストは「もとより脱原発者の私は小泉節を小気味良く聞いたが、原発護持派はやすやすと受け入まい」とこの問題の難しさを嘆く・・・
原発ゼロ派の主張は「原発はトイレなきマンション」であるとよく言う。
トイレなきマンションを54基もこの狭い国土に作ったのは誰だと問いたい。満州撤退時期の誤りと原発撤退時期を逃すなの主張は分かりやすくて良いのだが・・・
私も原発ゼロに賛成だが。どうしても引っかかるのは。では、54基作ったマンションのトイレはなくても良いかが理解できない。8/26付・朝日新聞に「もんじゅ推進は愚かだ」との社説が掲載されたが、福島の原発事故が起こった以上は、有無言わず廃止せよでは、あまりにも感情的。
朝日には朝日の論理があるのだからわからないではないが。私的には「もんじゅ」は新式のトイレではないのか。そのイノベーションまで捨てるにはあまりにも乱暴だと思うのだが。
朝日もあれだけ、新自由主義者と小泉さんを叩いてきたのだが、原発ゼロでなら手を組めるかも知れない。一度、取材を申し込んではどうかと思うのだが・・・そうなれば・・じぇじぇじぇじぇだね。Goto

コメント

  1. Goto より:

    原発ほど新聞社の主張が明確に割れている問題はありません。どこの主張が正しいのか。100年後にはわかります。私としては理想主義で60億の民が生きていけるとは思えません。かと言いて、現実主義が正しいとも思えませんが。作ってしまったモノを生かしつつ理想を追求するしか道はまさそうです。悩ましいところですが。Goto

  2. レモンハート より:

    こんにちは。
    原発縮小には賛成ですが、脱原発には反対です。
    クリーンエネはまだ道半ば。
    例えば、シリアが泥沼化した場合の
    燃料高騰は必至。
    有事のオプションは必要。
    中国の、中東・アフリカとの連携も心配です。
    戦争はしなくとも
    日本は、中国の圧力で資源を絶たれる可能性もある。
    新聞社は、一見整合性があるのですが
    有事のときの考えも教えてほしいです。