心が折れる気持ちです。

故天野祐吉先生・・老朽化した国立競技場、なぜ、建て替えてはいけないんでしょうか?
別段、話題がないわけじゃないんですが。我らが尊敬する天野祐吉先生の朝日新聞に連載のコラムCM天気図の「別品の国へ」・・を読ませて頂いて、どうもスッキリこないので敢えて記してみたいとここまで、書こうとして・・先生逝去の報に接し・・・躊躇するのですが・・
変に畏るのも・・先生の意図や生き様に沿わないのではと思い・・・追悼の意を込め続けます。
コラムの内容はこう・・国立競技場をぶっ壊して・・8万人も収容する「世界一の巨大な競技場なんて作るんじゃない。安倍さんの「成長は善である」は50年前のオリンピックとは時代が違う。子供が成長するなら至極結構だが・・この私が突然成長し始めたらもう、化け物だ。
バカでかいものつくたって・・誰が利用するんだ。世界で1位とか2位とか、何かに付けて順位を競い合う野暮な国よりも戦争も原発もない「別品」の国がいい。日本にはそれだけの社会的・文化的資産もあるじゃねぇか。別品の国に8万人の競技場なんて、いらねぇ・・と・・…
安倍さんは先生に成長してくださいなんて、言ってるわけじゃないのに。我々は子供達に1000兆円というとんでもない借金を残してしまった・・・私たちは責任はどう取るのか。成長しかないでしょうと、申し上げねばならない。先生はお取りにならないまま・・となりましたが・・・
「別品」の名ずけ親は中国。品評会の入選順位を1等・2等・3等ではなく・・1品・2品・3品と呼んだことに由来するとも書いておられるが、その中国が・・・成長拡大路線をひた走り・・・自国の民も他国も蹴散らして・・世界一を目指している「別品」をどう整合させるのか?
「別品」の発祥の国が「別品」を否定してることにコメントが欲しいものですが、それも叶わなくなりました。それと、国立競技場の地は、我が親父殿もその一人だったんですが、43年(昭和18年)10月21日徴兵猶予を解かれた大学生2万人の出陣学徒壮行会が挙行され・・・
東条英機首相が檄を飛ばし「生等(せいら)もとより生還を期せず」と答辞が読まれ・・スタンドの女子学生から「海ゆかば」の大合唱が響いた場所(日経・春秋)。先生が大上段に・・バカでかい競技場なんかいらないって大見得を切り。戦争も原発もいらないとお叫けびになるなら・・
あの地に・・・戦没者の慰霊碑でもお建てになりますか。それも「我が国が別品」の国になるための象徴として・・でも、国立競技場が戦争に駆り出された学徒達の遺恨の地であることも、オリンピックの聖地であることも、サッカーを始め、アスリート達の夢舞台であるのも事実です。
その地に再び巡ってきた東京五輪の聖地を新たにつくることに疑問を投げかける先生のお考えには賛同しかねます。とここまで申し上げながら、私も戦争には反対、将来原発はなくすべきだと思いながら・・1990年から続いた名物コラムを読むことができないとは・・・心が折れたような淋しい気持ちです。
天野祐吉先生のご冥福をお祈り申し上げます。Goto

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