山萌えて

忙殺の日々、時には立ち止まり、梢の若葉を眺めてみては・・・
喧騒な都会にお住まいの方には誠に申し訳ないのですが。この季節の山は実に綺麗です。私は朝夕、ふるさと岐阜市の中心にデンと構える「金華山」とその頂に聳える「岐阜城」を眺めて暮らしています。
冬の眠りから覚めて変貌する春の山、その色合いは・・まさに山萌える自然絵巻のようです。
木を見て森を見ずと申しますが。春の気配に日々刻々と変わる木。落葉樹は、枯れ木に白に近いうぐいす色の新芽をだしますと、たちどころに、青々しい緑が、深みをまします。針葉樹はひと雨で葉を落とし、さっと、新緑に変わります。それが、尾根に塊で、また、谷に点在する様は
春山は笑うと申しますが、まさに笑うが如くです。山を見れば森が分かり、木の息遣いが聞こえます。金華山は、まるで、山が蠢いているようです。あと半月もしますと、岐阜の木・・・つぶらじいの木(円錐)が白っぽい花をつけます。金華山がお出掛け前の薄化粧をしたのではと錯覚するほど綺麗に輝きます。
そうなりますと、ちょっぴり湿っぽい匂いが山全体から立ち込め、それが合図のように、街路樹も溢れんばかりの葉を広げ、若葉が揺れ、街に漂っていた冬の澱みがきれい に浄化されます。
山と共に生きる田舎街の大自然の彩り、山の変貌、都会の人には到底味わえないだろうと思うと・・・
余計に、この田舎ならではの祝福に満ちた山萌える自然絵巻を目の奥に刻み込んで置かなければと思います。日経新聞一面コラム「春秋」に忙しい現代人は季節の変化を見過ごし不調を招きがち。時には立ち止まり若葉の梢を眺めて見てはどうでしょうか・・と呼びかけています。Goto

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