ラジオの復活って、ありじゃないかと思うんですが・・・・
昔は良かったなどと懐古趣味で、申し上げるのではありません。青春の甘酸っぱい記憶が蘇るからでもありません。朝日新聞の「文化の扉」で「深夜ラジオ」と題した特集が組まれました。その紙面を読みながら、ラジオが復活するんじゃないか、そんなことを思いましたので。
ドイツではテレビを毎日数時間見ると間違いなく、頭が鈍化するといわれ、子供には時間を切ってしかテレビを見させないそうです。テレビを悪者扱いしているのではありません。人間って映像と音を同時に小さな画面から吸収しますと情報量が満タンとなり、他のことを考えたり、想像力を働かすことができなくなるからです。
その点ラジオは音だけですから、聴覚からしか情報が入ってきません。聞き流していても無意識に身体の奥底に染み込みます。真剣に聴けば、DJを想像したり、おしゃべりの背景や音楽の情景など色々と想像することができます。ラジオは人間の想像力を身につける格好の材料です。
深夜ラジオ・・・この響きを聞きますと。18歳で上京。東京世田谷烏山の下宿。木造二階建て上下三間の六世帯。6畳間に押入れ。共同便所に炊事場。家賃5千円。東京での学生生活が蘇ります。始めての買物、京王線千歳烏山の商店街、相沢書店で携帯ラジオ(書店に売っていました)とサマセットモームの文庫本。
ラジオのスイッチを入れ・・・聞こえてきたのが「オールナイトニッポン」や野沢那智と白石冬美の「パックインミュージック」などの深夜ラジオ・・「へぇー。東京じゃ、一晩中ラジオが放送されているんだ」・・・京王線の始発電車が通過するまで、ラジオを聴きながら本を読み漁ったものです。
今にして思えば、深夜ラジオだから、本が読めた。それが、私の考えるくせや想像力のベースになっていたのではと思います。ネット社会です。PCやタブレット、スマホを開けば文字だけではなく、音でも映像でも情報がたちどころに入手できます。そんな時代ですが。
一見便利そうですが。想像の隙間や空間まで情報で埋め尽くされるのは、人間を何処か歪にするのではと思います。50年前深夜ラジオが若者に与えた影響が日本人のものづくりのベースになったと思うのは思い過ごしでしょうか。
昨今はNHKのラジオ深夜便が高齢者に影響を与えているようです。ボケ掛けている高齢者の想像力を高めるのにラジオの価値が見直されれば、成熟した社会になるような気がします。ラジオの復活を望みます。懐古趣味でしょうか?Goto
コメント
苦戦が続くラジオ業界ですが、少しは明るさも感じられる今日この頃です。メディアはときどきラジオ特集を組んでくれれて、嬉しくなるのですが、なかなかラジオの良さが認知されないのが現実です。ラジオ業界も打つ手がないというのが本音かと思いますが、時代はどんどん進んでしまいます。過去に囚われることなく若い世代にもラジオに接する時間を増やしてもらいたいと思います。今朝の会議で知ったのですが、アメリカのラジオ業界でも悩みは同じようで、若者のラジオ離れを止める方法がいろいろ検討されているようです。そんな中でもスマホからFMラジオにつながるアプリが話題になっています。「ネクスト・ラジオ」とかいうアプリだそうでチューナー付きスマホなら地元局をすべて一発選局してくれるそうです。「ラジコ」より使い勝手が良さそうなので、いづれ我が国にも入ってくると思われます。打つ手はまだあるのです。頑張ります。