生活様式を変える。

裸足で暮らす人々にどうやって靴を売れば良いのでしょうか。
カジュアルスニーカーの売れ行きが好調なんですって。靴の話になりますと、私はいつも思い出すんです。何をかと申しますと、靴の営業マンの話しです。ある靴のメーカー。二人の営業マンが海外、それもアフリカに営業調査に行った。その有名なレポートです。
一人は「アフリカで靴を売るなんて土台、無理ですよ。だって生活が裸足なんです。誰も靴を履いていないんですから、文化を変えなければ売れるはずがありません」と。もう一人は「驚いて下さい。どんな靴でも売れます。老若男女誰も、まだ、靴履いていないんですから、幾らでも売れます」と。
あなたなら、どちらのレポートを採用しますか?勿論、こんな素晴らしい市場があると思うでしょう。私もそう思います。しかし、現実は簡単ではありません。文化とは生活様式です。不要な生活様式は直ぐに駆逐され改まります。しかし、良い生活様式は必然ですからなかなか改善されません。
靴を履かないのは、良い生活様式なのかも知れません。であれば、勇ましいレポートを採用して、アフリカで営業を仕掛けても、そんなに簡単に売れるとは限りません。売れないと結論付けて営業を掛けないと永久に靴は売れないのですから。チャレンジすべきだと思いますが・・・
日本でスポーツシューズ市場規模が前年比5,1%増の5780億円に。なぜ、多目的シューズの中でカジュアルスニーカーの売れ行きが好調になったかと申せば。20年の東京五輪に向け「スポーツを核にしたライフスタイルの商品提案が盛んになり、スポーツシューズ市場が拡大」したからです。
詰まり、靴の市場が伸びているわけではない。紳士靴市場は1,3%減の2250億円、婦人靴は3,0%減3580億円と低迷していますが、東京五輪で新たな健康志向動きが顕著になったこと。即ち、日本人の生活様式が変化したことでスポーツシューズ、カジュアルスニーカー市場が拡大したのです。
アフリカで靴を売るには、靴を履くのが当たり前の生活様式を作り上げる。その努力をすれば、靴は売れるようになります。さてさて、どんなモノでもそうです。本気で商品を普及しようと思えば、生活様式を作り上げねばなりません。Goto

コメント

  1. 風来坊☆ より:

    無理と諦めるより如何に売るかを考えるのは重要ですね。
    アフリカで靴を履く文化がなければ普通は諦めますね。
    アフリカは狩猟民族が多いと思うので、部族でも足の速い人は一目置かれていると思います。そこで部族の足の速さが3番手の人に、スニーカーをプレゼントします。履きなれるまでは時間がかかるでしょうが、慣れてきて機能さえよければ一番早く走れるでしょう。恐らく…。
    そうなるとみんながそれに注目し購入も考えてくれるのでは、と思います。
    そういった場所で開拓するのは楽しそうですね!!