CMまたぎ

テレビ局も広告会社も、まだまだ甘いですね。
好物の魚でも腐っていますと、猫は食べずにまたいで行きます。
始めて、ネットの記事からですが「腐った魚」の話をします。
広告屋としては本当かいなと、信じられないのですが。
テレビ朝日で二つの番組にCMが始まる直前「トイレは今のうちに」という……
スーパーを流したそうです。CMの間、2分間でトイレに行ってはとCM飛ばしを
奨励したのですから、そりゃスポンサーは怒るでしょう。
広告収入で成り立っている民放です。社長「民放としてはあってはならないこと」と
謝罪、関係者を処分したのは当然のこと。こんな分かりきったことが、なぜ起こるのか。
なかなか奥が深い。
CM飛ばしは視聴者の間ではチャンネルザッピングといって、CMになると、
他局へチャンネルを変えてしまうこと、日常茶飯事です。
そうはさせぬと、CMの間も番組に繋ぎ止めておく番組作りの手法に「CMまたぎ」がある。
「CMまたぎ」って業界用語。番組の佳境で、CMを挟み、「CMの後で」更に面白くなるので、
チャンネルを替えないで下さいという手法で日テレが編み出した。
でも、「CMまたぎ」はテレビ局側にとっては「CMもみてもらい、視聴率も落ちない」
一石二鳥だが、視聴者からは「あまりにもあざとい」と至って評判が悪い。
「CMまたぎ」の手法にこんな調査データが……番組の山場でCMを入れるのは逆効果で
視聴者86%が不愉快に思う。CM明けのシーンの繰り返しにも74%がイライラすると。
山場CMを含む番組は84%が「好感が持てない」その時のCM商品には42%が
好感が持てない。34%が買いたくないと、商品にマイナスイメージが付く。
逆に番組の流れで一段落して流すCMへの「悪評はない」
テレビ離れの原因は様々だが、少なくとも山場CM(CMまたぎ)は
「視聴者をバカにしている」とテレビ離れの一因になっているといえないか。
「視聴率が上がらねば、スポンサーが付かない」「CMを挟むと視聴率が落ちる」
テレビ局にとっては、痛し痒し、CMまたぎは致し方ないのだろうか。
私はそうは思わない。
2分間のCMタイムにトイレに……なんていうこと自体、放送局の関係者が
勘違いしている。民放はCMで成り立っていることを。そんなことは……と思っているなら、
そこが甘い。敢えて申します。CMは視聴者にとって最も重要な情報であることが、
わかっていない。番組とCMを区別している姿勢だから、テレビ離れは止まらない。
それと、もう一つ。重要なことを。スポンサーは視聴者がCMを心待ちにするような
CMを流すべきではないか。視聴者がCMを飛ばすのは、CMが腐った魚だからではないか。
猫またぎされるような、CMだから、こんな問題が起こるのだと、私は思う。
もう一度申し上げます。
広告は情報です。番組と同様、それ以上です。
視聴者が納得する、何度もみてみたいCMを流すべきではないでしょうか。
えっ。そんなことはわかっているって。だったら、そうしましょうよ。
そのために、我々広告会社があるのですから。変な技法を使わずに知恵を出しましょうよ。
Goto

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