輸出産業をサービス業が支える。面白い構図ですね。
国際収支の貿易収支赤字を解消するにはどうすれば良いのか。
そんな議論ってあるのでしょうか。新聞報道で読む限りでは、
為替だとか、原油の高騰だとか、中国経済など様々な要因には言及するのだが、
どうすれば黒字化することができるかには触れない。
そもそもだが、家計であろうが、商売であろうが、企業経営であろうが、
月々の収支、年間の損益に対してキチンと把握し、対策を立てるのは、
存続する上での重要な基盤です。
国も家計と同じです。赤字が続けば、国民生活に影響を及ぼします。
常態化すれば、国力が低下するだけではなく、国際社会の信頼を失い、
国家の破綻ってことになります。
どこかの国で貿易収支が大幅な黒字になりますと一方で赤字の国がでます。
必然ですが、貿易の不均衡は国際間の紛糾の火種になります。
米中の貿易戦争がまさにその象徴で、自由貿易の米国と統制経済の中国との歪みが
中国を膨大な黒字国にし、米国の貿易赤字の主要を占めます。
だったら米国も規制で対抗するぞと、応酬が始まり戦争状態が続いています。
そう考えると、国というのは、あまり黒字が過ぎてもいけないし、
赤字が続いてもよろしくない。ほどほどが良い。そんな優しい議論も識者にはありますが、
ちょうど良い黒字ほど難しいことはありません。
それと同時に「今は黒字」であっても、次なる手を打たなければ、
程よい「黒字」など継続できません。常に新たな収益源が必要です。
国であろうが、企業であろうが、同じです。
最近の日本食ブームや訪日観光客の増加などで日本産の食品に注目が集まっています。
日本の輸出といえば、資源のない国です。原材料を輸入、加工して製品に仕上げ
海外に販売する加工貿易が基本です。ひと昔前は電機産業が、今は自動車産業です。
さて、次をどうするのか。そりゃ「IT産業」でしょうと、申し上げたいのですが。
GAFAと呼ばれる巨大IT企業に太刀打ちできるのか。ヤフーとLINEが統合し、
アジアで失地を回復と意気込んでいますが。ぜひ、基幹産業にと願います。
規模は小さいかも知れませんが、長い目で見れば、将来貿易黒字に
貢献するのではと思う産業があります。そこに目を付けたのが、
サービス業である旅行大手のHIS。さすがです。ものは「日本産食品」です。
世界69ヶ国に約8000人の社員を抱える同社。彼らを営業マンにして、
販路を開拓しようという魂胆。第一弾として世界販売に乗り出す日本産食品は、
三重県を中心に生産されている日本茶の「伊勢茶」です。
日本産の農水産品は、産地に拘り、少数を富裕層向けの高級品として売り出すことが多いのですが、産地を越えて「日本産」として高品質を保った商品として中間層を狙って一定量売り出す。
農家の安定収入源の確保にもなります。
日本の風土で丹精込めて育まれた「日本産」の農産物が、
貿易黒字の基幹になるなんて、考えただけでも、ゾクゾクしませんか。
これなら、誰にも文句なしです。Goto
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