天下のもの

大河ドラマは光秀をどのように表現するのか。ワクワクします。
2週間遅れでスタートしたNHKの大河ドラマ「麒麟がくる」が高視聴率のようです。
岐阜ゆかりの戦国武将たちが登場、新年早々にオープンした岐阜市にある
歴史博物館内のドラマ館が早くも入場者数が1万人を突破したそうです。
私はまだ訪ねてはいませんが。
NHKと申しますか、テレビの威力は凄いものです。
この風に乗って、主人公の明智光秀の生誕地や幼年時代を過ごした岐阜県下の
各地に観光客が押し寄せてくれればと願います。
因みに、大河ドラマに因んだ岐阜産の「土産物」が600種類発売されています。
大河ドラマがどのような内容で進んで行くのかはわかりませんが。
光秀といえば「本能寺の変」です。そこまではドラマにあると思うのですが。
果たして山崎の合戦で秀吉の軍勢に討ち取られた場面まで放映されるのか。
ましてや光秀の娘婿といわれる明智左馬介光春が
居城・坂本城に火を放って自刃するところまでは、さすがにやらないでしょう。
良い折です。この光春という光秀の薫陶を受けた武将の生き様を知っていただけたら。
坂本城に籠城した左馬介光春。いよいよ最期というとき。
城内にあった数々の秘蔵の名器(光秀は教養人・文化人で茶器などを多く所蔵していた)
を滅ぼすにしのびないと城外につりおろし、寄手の大将・堀監物に「それがし思うに
かかる重器は命あって持つべき人が持ってこそその人の物だが、決して私人の物ではない
天下の物、世の宝と信じ申す」
「名器・名宝の命は世にかけて長くあれかしと祈るのでござる」
「これが火中に滅するは国の損失。部門の者の心なき業と後の世に嘆かざるるを
口惜しと、かくはお託し申す次第」と堀監物に引き渡し自刃した。(吉川英治・新書太閤記)
この話を聞いた秀吉「なんと心のなかの涼しさ、天晴れというか、惜しい侍であった。
光秀とはかくなる人物を育てる男であったか」と賛嘆を惜しまなかったという。
この話って、こうではないか。
世の中にある財貨は持ち主のもの。企業は株主のものだが、
それらは形の上、法律の上では人の物だが、それは便宜的なものであって、
本質は天下のもの公のものなのではないか。それを忘れて私利私欲に走るのは如何なものか。
光秀とは、斯くなる生き方をしたが故に、私欲に走った信長を誅殺したともいえる。
それを実証したのが、明智左馬介光春、そこまで大河ドラマが続くと実に興味深い。Goto

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