講談社のCIに思う

如何なる業界も社会的価値があれば・・・存在する。
出版業界が構造的不況に陥ったと言われて久しい。
理由は本が売れなくなった。その証左が街から本屋が消えて行く・・・
その結果、出版物の売上が減少している。
同じことが新聞業界でもいえる。新聞の購読者数が減少・・・
最盛期は国内の総発行部数が5000万部を数えていたが、今では3000万部台に・・・
その結果、新聞社の経営が圧迫され、ローカル新聞の存続が危ぶまれている。
出版も新聞も原因は活字離れにある。
IT革命で情報ツールがインターネットに移行、webへの対応が遅れたなどと言われる。
いずれも本質ではないと思っている。
すべての事物は螺旋階段のように発展する。ヘーゲルは「螺旋的発展の法則」を説いた。
本も新聞も社会に有意義な情報を提供するという使命は変わらない。
しかし、その手法は時代とともに変化するものである。
上から見ると「不易」ものは「不易」であり、横から見るとテクノロジーとともに
上昇的に変化して行くのである。出版や新聞業界の構造的不況の本質はまさにこの
「螺旋的発展の法則」に反しているからである。その原因はひとえに経営層の硬直にある。
最近、CIを行なった出版社がある。講談社である。(写真参照)
もちろん、業界の構造的不況から抜け出すために。
CIとはコーポレーション・アイデンティティのことである。企業文化を高め、特性や
独自性を統一されたイメージやデザインで、わかりやすく発信して社会と共有することで
存在価値を高めていく企業戦略である。
講談社は創業112年・業界の大手であり老舗である。雑誌といえば講談社。
2020年度過去最高の利益をあげた。出版業界の構造的不況から抜け出た・・・
講談社の不易は「面白いこと」(これは天上の星)「ためになる」(これは地中の塩)
「おもしろい・ためになる」である。
CIの目的は海外進出である。日本市場を席巻し「おもしろい・ためになる」を提げて、
世界市場に打ってでる。その狼煙がCIである・・・如何に不況の業界であろうと、
その業界に社会的価値があれば存在する。そしてそこに優劣が生じる。
その差は経営者の能力に起因する。Goto
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