中華ナショナリズム

北京五輪開催で欧米もインドも韓国も台湾も首を傾げています。
北京冬季五輪がたけなわです。日本選手の活躍に一喜一憂するのは私だけではない。
世界中が自国の選手たちに熱いエールを送っているのでしょうね。
五輪と申しますか、スポーツの国際大会にはナショナリズムが付き物です。
ナショナリズムの定義は「自分たち国民・民族を重視する考え方」ですが、
実はそんな簡単なものではなく、ムラ意識やクニ意識の封建時代からフランス革命を機に
国民国家(ネーション・ステイト)への移行によって芽生えた思想です。
日本では明治維新がそうでしょう。300の藩が国家になったのですから。
中国も清王朝の愛国心感情から孫文ら西欧的知識を持った人々によって
近代的ナショナリズムとして完成され、それに基づき辛亥革命が起こったのです。
それから僅か100年足らず・・今では「中華ナショナリズム」を振りかざし、
エスニック(国民の中にいる比較的少数派)を強制的にネーションに取り込もうとしています。
それがチベットエスニックであり、ウイグル自治区、香港などに対する人権侵害になっています。
北京冬季五輪・開会式で中国の国旗とともに56の民族代表が出演する場面で、
朝鮮半島の伝統衣装である韓服(チマチョゴリ)をまとった朝鮮族の女性が現れました。
韓国のSNSでは「中国の明確な文化侵略だ」と大炎上しています。
中国政府にどんな意図があったかはわかりませんが。朝鮮半島も中国の一部なのでしょうか。
結果としては親中派の韓国現政権に対する若者の批判が噴き出し、来月に迫った
大統領選挙に影響を与えるのではないかとまで言われています。
ウイグル自治区出身の選手を聖火リレーの最終走者に起用したり、
中印係争地域で両軍が衝突し死傷者を出した際にインド軍を制止し、
中国メディアに「英雄」と讃えられる軍人を聖火ランナーに起用し、インドが猛反発したり・・・
また、台湾選手の入場を放映させなかったり・・・
あまりにも露骨な中華ナショナリズムに、世界の顰蹙を買っています。
世界2位の経済大国となり、同じ都市で夏と冬の五輪を開催する中国ですが、
習政権の延命と国威発揚にはなっても、国際社会はそんなに甘いものではない。
ナショナリズムの定義は「自分たちの国民・民族を重視する」考え方に過ぎないのです。
論語です。「如有周公之才之美、使驕且吝、其余不足観也已」「泰伯篇」
( 周公のような素晴らしい能力に恵まれていても、そのために人を見下したり、
また、人のために出し惜しむとしたら、他にどんな美点を持っていてもすべて帳消しになってしまう)
中国5000年の歴史は中華ナショナリズムなど眼中にはない筈ですが。Goto

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