李下に冠を正さず

相場を歪める行為は違法です。証券会社の基本中の基本。
東京地検特捜部(特捜部)に踏み込まれ幹部4人が逮捕されるとは、尋常ではないですねぇ。
SMBC日興證券社員らによる・金融商品取引法違反・相場操縦容疑のことです。
こんなご時世です。これが真実ならば、証券界の信用が失墜するのではと心配です。
そもそもですが・・・この事案、21年6月に証券取引等監視委員会(監視委)が同本社を
強制捜査していたというではないですか・・・という事は特定の銘柄について
人為的に株価を操作する取引を繰り返していたと監視委は睨んでいたってことでしょう。
それに気付いていなかったとするならば、違反行為をしていないと思っていたか・・
バレなきゃ良いと見くびっていたのか・・それとも会社ぐるみで隠蔽できるとでも。
監視委は過去の調査を通じ、大引け間際に対象銘柄の買い注文を出していた
取引記録などを既に入手、日興の社員らへの聞き取りなどをした結果、
特捜部へ告発をした。犯罪の確信がなければ注意で済ますでしょう。
逮捕者は「通常業務の範囲内だった」と容疑を全面否定し、徹底抗戦の構えだそうですが、
覆すのは容易ではないようです。新聞報道の範囲ですが、証券会社が自己の資金で
株取引を行うエクイティファイナンスの部門は長らく日興の弱みとされ・・
ヘッドハンティングした専務執行役員らの「精鋭部隊」がこの部門を急拡大させた。
内部の事情まではわかりませんが、証券会社が特定銘柄を絞り込んで自己資金で株を買い、
売り手と買手を巧妙に仕組めば、相場操縦など難しいことではありません。
一見、難解な事件のようですが、本質は株を取り扱う証券会社が自社益をもっとも
安易な方法で得ようとして起こったことです。
事件の顛末は法廷で裁かれるのでしょう。金融商品取引法の範疇であるのか
ないのかが争点になるのでしょう。監視委と特捜部が睨んだ案件です。
抵抗には限度があるのではないでしょうか。仄聞するところ、この専務は
外資系証券会社の立場から日興へヘッドハンティングされたようです。
米国流のやり方で裁判をしたところで所詮は虚しい争いになるのではないでしょうか。
日本では「李下に冠を正さず」という言葉があります。
どう見ても日興の責任は免れません。どこがで幕を引かないと金融界全体に波及し兼ねない。
解決方法は日興の社長が再発防止策を提示し引責辞任する・・日本的な手法でってことに。
他の証券会社、エクイティファイナンス部門の他山の石となして終息ですかねぇ。Goto

コメント