一人ひとりがが偉大な物語

親の自分史を書き残しておけば良かった・・・後悔です。
私は「人生一度限り」「いまを精一杯に生きたい」そう思って生きています。
大袈裟に言えばそれが、私の死生観です。人は死にます。誰もが・・必ず。
でも自分だけは死なないと密かに思っています。不思議のひとつですが・・・
いつ死ぬかは誰も分からないのにです。ですから、生かされている今を悔いの残らぬように。
懐古趣味はありませんので、昔のことは聞かれない限りは余り話しません。
話しても自慢話になって聞く方も面白くないし、話す方も調子に乗ってしまいます。
でも、こんな話を聞きますと、悔いの残ったことを思い出します。
こんな話とは・・・「聞き書き作家」という職業の方の話です。
岸田首相の特技は「聞く力」だそうですが・・・この作家は、高齢者の話を
最低でも1年間は通って話を聞き、その言葉・喋り方をそのまま文章化して
その人の「自分史」をつくるのです。
そんなに話すことがあるのかと思うのですが・・・
父母のことに話を向けると誰もが親の思い出を語りだす。
子供の頃はどんな子供だった、運動会では足が早かった・・などと聞けば
青春時代までとめどもなく記憶が蘇るそうです。結婚は・・となると初恋の人の
話から、亡くなった夫との出会いと、その後の苦労話まで・・・次々と。
そして子どもたちはどんなだったなどと聞けば、孫の自慢から、まだ見ぬひ孫や
玄孫への期待や思いも・・・そうです。未来への遺言まで自分の言葉で話すそうです。
それを、文章にして本にすれば、ひとりのなんでもない、市井の老人の人生が
偉大な物語となって、その人を知る人たちの心に残っていくのです。
それが「聞き書き作家」の仕事だそうです。なるほど・・・
で、私の後悔です。3年前に他界した母親の話をなぜ、聞いてやらなかったのか。
親子です。親の略歴については断片的には知っていますが、どんな人生だったか
なんて聞いたことがなかった。認知症が進み、施設に入れて4年で亡くなりましたが。
その時に「聞き書き作家」氏のように暇を見つけ通い色々聞いてみれば良かった・・
親の自分史は子の生き様に繋がっているのですから・・
あの母親の言葉を私の手で書き残していたならば・・それは母親の命を残すこと。
私の一度限りの人生をもっと輝かすことができるのに、そう思うと悔いが残ります。
でも岸田さんは国民の声を聞いて聞くだけではダメですよねぇ。Goto

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