挟土秀平作、ホワイエの壁画「岐阜に舞う」は圧巻です。一見の価値あり。
岐阜県庁・56年ぶりに新庁舎が竣工・新年の4日から移転します。
県庁を訪れることも滅多にないのですが・・・旧庁舎は遺憾ともし難いほどに、
暗くて汚くて・・そんな執務室から職員のアイデアが湧いてくるとはとても思ませんでした。
それが・・・計画から8年近い歳月を掛けて竣工しました。
自治体の庁舎など全く興味がないのですが・・・どなたに聞いても
これほどに「機能的で、岐阜県の特産をふんだんに使用した県庁舎は他にない」素晴らしい。
そんな評判を耳にしていましたので、内覧会に出掛けました。
庁舎のコンセプトは「県民の暮らしを守る」「地域の魅力を発信する」
「環境に付加したライフサイクルコストを低減させる」と明確、その意志が隅々に
配慮されていました。同時に庁舎前の広場が「ぎふ結(ゆい)のもり」と名付けられた
公園も一体として整備されました。普段は公園ですが、災害発生時や有事に備え、防火井戸、
マンホールトイレ、かまどベンチの設備が内蔵されています。
監修は森林文化アカデミーの涌井史郎学長。
グリーンインフラの考え方、地域環境の持続性を確保しつつ、
減災・防災に資する様々な機能が整備されています。
レインガーデンといわれる雨水の貯水機能を備えた植栽スペースは
降った雨を自然にゆっくりと地中に浸透させ、自然本来の水循環を図り
都市水害を抑制する発想の設備がモデル的にあり。公園内の舗装構造は
保水機能を備え、浸透した水分が滲み出す効果により、周囲の温度を下げることに
貢献する仕組みも取り込まれています。地球温暖化のモデルと言われています。
一見すれば県庁舎前の変哲もない芝生が張られた公園ですが。
新県庁舎と一体に考えられているところが実に深い意味のある公園です。
それに、岐阜県ゆかりの桜、国指定天然記念物の根尾の薄墨桜や中将姫誓願桜も
植えられています。数年を経ずして県民の憩いの場になるでしょう。
話がそれました。新庁舎・私が感じた点です。
まず、廊下がない。各階ごと大フロアーの職員執務所となっています。
公用の人たちは、応接室・会議室で面談し、執務所には入れません。
非常に合理的で、無駄なスペースがない。最新の中央官庁はそうなっています。
それとトイレです。通常は男女に分かれますが、もう一つあり3つに分かれています。
それが象徴するように、全庁舎が徹底的にバリアフリー化され、
車椅子で行けないところは、議会棟も含めありません。県民のためにです。
外壁には県産タイル・内装にヒノキなどの県産材や美濃和紙をふんだんに活用、
1階にはギャラリースペースが設けられ、岐阜県の自然・文化・歴史・匠の技の魅力が
紹介されています。展示されている美濃焼・黄瀬戸の壺は実に見事です。
私が最も・・・感動したのは、一階・ホワイエの大壁画です。
飛騨高山の左官職人・挟土秀平氏の作品「岐阜に舞う」です。
挟土作品、ご存知の方もあろうかと思います。NHK大河ドラマ・真田丸の
オープニングに使用されて壁土の作家です。
岐阜・美濃を代表する長良川の鵜飼・・・舞い上がる篝火の炎。
飛騨を代表する高山まつり・・・屋台のからくり人形が捲く紙吹雪・・
この二つが、岐阜県の地図に舞う姿。。これは見ものです。
それと、見もので忘れては行けないのは・・最上階・・岐阜県のランドマーク、
20階・北は岐阜市内から北部に連なる山並み。西は大垣市を一望・・伊吹山を望み
京へ。そして東には信長が居城とした金華山岐阜城が・・さらに南は、名古屋城と
その横には名古屋駅のビル群が・・濃尾平野の北端に位置する岐阜市からの
景色が一望できます。必見に値します。
この新たな岐阜県庁舎、岐阜県民に・・どんな未来を描くのか。Goto
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