レカネマブ承認

苦節40年・エーザイの執念が軽度認知症に福音を・・・

10月です。岐阜・長野両県にまたがる乗鞍岳の畳平(標高2702メートル)で
25日に、初霜が観測されました。昨年よりも27日遅れ、過去10年の
平均観測日より9日遅いそうです。温暖化の象徴かな・・と思うのですが。
季節は確実に巡っているのを感じます。

このブログで何度か取り上げました。
厚労省は日本の製薬会社・エーザイが開発したアルツハイマー症の新薬「レカネマブ」(商品名・レケンビ)の国内での製造販売を承認したと発表しました。
医療現場での使用は、年内には始まるようです。随分長くかかりましたが。

最近、物忘れが酷くなったと感じ、認知症かと心配する後期高齢者のひとりとしては、福音です。対象者は認知症の症状が出始めた初期段階や認知症に移行する前の軽度認知障害(MCI)の患者です。ピタリ我々団塊世代ですね。

アルツハイマー病の原因は脳の神経細胞が壊れ、認知機能が低下する病気と言われています。原因は脳内に「アミロイドβ」というタンパク質が溜まるから

私も認知症診断テストを受ければ症状がでていると思います。
大概の同世代はそうじゃないかと思います。服用を希望するのですが・・

問題は薬価と副作用です。
薬価は厚労相の諮問機関「中央社会保険医療協議会」で議論されるそうですが、
米国の販売価格は患者一人当たり年、2万6500ドル(約390万円)とても手が出る額ではありません。日本でも年間100万円単位になる可能性があります。

高嶺の花ではと思うのですが。高額医療費制度があるため、患者の自己負担は
70歳以上の一般所得層(年収156万〜370万円)の場合は年14万4000円が上限となります。これなら、なんとかなりそうですね。

もう一つの問題、副作用リスク。
FDA(米食品医薬局)は承認時、安全のため脳のむくみや出血といった副作用の発症リスクを知るため「APOE4」(特定遺伝子)の有無を調べる検査を求める注意喚起をしました。それは比較的簡単な検査のようです。

でも考えてみてください。重度の認知症を患って、世間に迷惑をかけるよりも
軽症のうちに発症を遅らして従来の生活が長くできる方が良いと思いませんか。

エーザイのCEO(75)は「この研究を始めたのは1983年、当時、研究開発担当の部長。研究所に住み込んで現場を指揮、休日返上で研究に打ち込んだ。
最初の成果は97年・米国で発売された認知症薬「アリセプト」
アリセプトは一時的に緩和するが病気を食い止める効果には至らなかった。

そこで、病気を根本的に治す新薬に取り組んだ。
開発は難航、3種類の薬効を確かめる治験を行うが全て失敗。
アリセプトの成功を契機の開発競争に加わった国内外の製薬大手も
次々と手を引いたとか。CEOは本社の駐車場や過去に開発した薬の販売権を売却して開発資金を捻出・・・諦めずにやり続けた結果、ここまで来たと。

CEOはさらに言う「レカネマブ」も進行した症状を回復させる効果はない。
「根治薬を諦めてはいない。へろへろになってもリングに立ち、ファイティングポーズをとれば必ず報われる」と若い研究者に訴えます。

そうなのです。レカネマブは、日本の製薬会社が開発した・・
軽度の認知症の治療薬です。日本には軽度認知症患者は700万人と言われます。
まずは、この人たちに(私も含めて)行き渡って欲しいものです。

開発を開始してから40年です。
その成果は・・・少し遅れてた乗鞍岳の初霜のようですが、
季節が巡るように確実に実りましたね。Goto

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