こもれび

真面目に働く、一生懸命に働くって・・・・

久々に心にジンとくる映画を見ました。
コミカルでミステリー感溢れ、ご当地をふんだんに紹介してくれ・・
昨年の10月に封切られた「女子大小路の名探偵」(剛力彩芽主演)は
実に楽しませてくれましたが・・・それ以来の映画鑑賞です。

映画を通して流れるのは・・・トイレとこもれび・そしてカセットで聴く、我々世代に流行った音楽です。私の趣味は・・あえて趣味と申します。早朝ウォーキング時にゴミを拾うことです。見ている人はいるもので、先日も時々顔を合わせる外国の方が・・・「おじさん感心ね」カタコトの日本語で・・冷やかされ、バレるようでは「陰徳」にならぬと苦笑いです・・

ですから、この映画「PERFECT DAYS」の主人公が清掃員として渋谷のトイレを巡回する日々を丁寧に追っているのが柱だと知って、俄然興味を持ったので鑑賞に。さすが・・今最も脂の乗った俳優・役所広司さん・・彼の芸名がなぜ役所なのか。役所勤めの経験からだそうです。広司は水道工事の現場に配属されたからだとか?知らんけど。

あまりにも自然な演技なので、演技力の凄さがわかりませんでしたが、去年のカンヌ国際映画祭で主演男優賞を受賞したのですから、違和感を感じないのが賞に値したのだと思うとなるほどと。真面目に働く、一生懸命に働くとはどういうことかを教えてくれる。

朝起きて、同じルーティンで仕事に向かう。仕事には一切の妥協はない。帰宅して銭湯に。居酒屋で一杯引っ掛け、文庫本を読みながら寝落ちする。そして朧げな夢に・・・趣味の写真は仕事の休憩中に撮る「こもれび」・・夢と重なる。

ほのかに心寄せる小料理屋の女将。彼女の人生、独特の表現で垣間見せる。印象的なのは「影が重なると濃くなるかな」のシーン。さすがに名監督・ヴィム・ヴェンダース。こもれびとの対比が絶妙。その光と影と主人公の訳あり人生がこれまた重なる・・これ以上はネタバレですから、控えますが。久々に映画の奥行きに入り込みました。・・・

渋谷には、あんなにクリエイティブな公共トイレがあるとは知りませんでした。機会があったらと思うと同時に、日本中の公共トイレが綺麗になれば、最近特に目立つ・・我欲が先行するこの国です。もっと綺麗な国になるのではと思う。

私的には主人公が黙々と便器を磨く姿と私が道路のゴミを拾う自分とダブって、私って、キムタクにそっくりだと思っていたが、役所広司にそっくりじゃないかと思うように。知らんけど。

やっと金華山から陽が差し始めました。
葉を落とした桜の木からこもれびが・・・映画は最高ですね。Goto

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