日経広告賞

しっかりと主張・意見するのが新聞広告大賞に相応しいのでは・・

師走です。それにしても温暖ですね。先週の日曜ですが、半袖でゴルフを楽しむ人がいました。冬は冬らしく寒くなってもらわねば困ります。
だって冬用の商品を製造・販売している企業が成り立ちません。

恒例です。年の瀬ですね。今年一年で日経新聞に掲載された広告を評価する
第73回日経新聞の広告大賞が発表されました。いつも思うのですが、新聞って何を考えているのでしょうか。11月の段階で、今年の10大ニュースを取り上げます。12月にビッグニュースが起こったらどうするのでしょうか?来年末に回す話は聞きませんが・・・結局は12月には何も起こらないと思っているのか。年末に企画するのが面倒なのか?如何にも如何にもです。

日経の広告賞も同様です。11月の初旬に発表したってことは、10月までで、切ってしまうことです。どうでも良いことですが、腑に落ちない話です。

でです。どんな基準で賞が決まるのか?定かではありませんが。
紙面で紹介されたのは大賞一点と最優秀賞作品2点ですが、
現実は部門別に分かれ、最優秀賞が14点・優秀賞は25点・他に日経関連新聞や雑誌などでの特別賞が6点、さらに第53回日経MJ広告賞で大賞・最優秀賞が各1点・優秀賞が2点となっています。

どれだけ、賞をだそうが日経の勝手ですから、とやかく言うつもりはありませんが、まぁ・・どう考えてもこれだけ乱発すれば、その価値は自ずと下がります。
私の感覚では、最近の広告出稿量の減少に鑑みて「猫も杓子」も賞・賞・賞って感じですね。

大賞は、地方紙と連携し、Z世代が「食」について考えるきっかけをつくった「農林水産省」のNIPPON FOOD SHIFTが受賞しました。(写真参照)
受賞の理由は「食から日本を考える」をキャッチフレーズにZ世代を主なターゲットに食と農業が抱える課題や未来について考えるきっかけとなるコンテンツを提供する取り組みが評価されたと・・・なっています。

2回シリーズで掲載され、初回は全国47都道府県の地方紙を巻き込んだキャンペーンを展開。地方紙には、大学生が農業生産の現場を取材したリポート記事を掲載。日経では、そのエッセンスを写真と短い解説で紹介。さらに紙面のQRコードを読み取ると、地方紙に掲載された紙面およびウェブ記事が閲覧できる内容です。なかなか凝った企画です。

この大賞に二つ思います。一つは農林水産省の広告が大賞には納得がいかない。
国の予算ですよ。使いたい放題だとは申しませんが潤沢な予算があれば、良い広告紙面はできます。その意味では広告が地についていない。だってですよ、今時、Z世代が新聞を読みますか?広告効果という点では疑問です。

もう一つは新聞広告はハイブリッドの時代に入ったということです。
QRコードを読み込めば、紙面では掲載できない膨大な量を検索することができる。まさに。紙とネットの融合・ハイブリッド広告です。QRコードが掲載されていることで、辛うじて、Z世代にも届くと連想させます。

最優秀賞の2点・いずれも新聞広告らしい。大日本除虫菊が6月初旬に掲載した
「シンカトリ」はさすがに広告上手なKINCHOです。紙面に飛ぶ蚊を1から445番までを線でつなぐと「信じてる日経読者の購買力」の文字が浮かぶ。
考えようによっては人を食ったような中身です。日経の読者なら「新しい蚊取り」を買うに決まってるって、いうのですから。でも遊び心があって実に面白い。
もちろん、このブログでも取り上げました。

もう一点は「日本皮革産業連合会」の「革製品の製造は動物に残酷」「革製品制作のための動物飼育によって温暖化ガスが排出されている」などとの認識が広がっているが。皮革製品は食用の動物から天然皮革を採取しており、その使用を中止してもアニマルウェルフェアの実現や温暖化ガスの排出削減に繋がらぬ。

そんな間違った認識を正す意見広告です。
それを二度にわたって紙面化しています。

私的に言わせれば、これこそがじっくりと読ませ、読者の間違った認識を改めてもらう。「新聞広告のあるべき姿」ではないか。私は、行政の広告よりも、この日本皮革産業連合会の広告の方がはるかに日経広告大賞に相応しいと思う。Goto

 

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