官僚たちの夏はどこへ行った。
私が偏見を持っているのか。これが日米同盟の本質なのか?
理解できませんが、これは由々しき事態ではと思います。
何のことかと申しますと、バイデン米大統領が日本製鉄によるUSスチールの買収を禁止する命令を出したことです。
一昨年末になります。日本製鉄が約2兆円で、USスチールの買収を発表。
粗鋼生産量では世界4位。USスチール24位。USスチールの経営陣も
買収に賛成。株主総会でも承認された。にも関わらず、全米鉄鋼労働組合(USW)が強硬に反対。実のところ従業員や地元は買収には支持だ。
しかし、発表のタイミングが悪かった・・・大統領選挙が目前。
労組の票頼みの民主党。反対に踏み切る可能性は予想された。
にも関わらず、米国の民主主義はそこまで腐ってはいないと高を括ったのでしょうか。バイデン大統領が「鉄鋼生産とその労働者は、米国の屋台骨だ」と訳のわからない理屈をつけて、禁止命令まで出すとは・・・・
慌てた日鉄。買収後、取締役の過半数と経営陣の中核を米国人にすると表明。
さらには4000億円以上の追加投資もする。生産や雇用を海外に移さない方針とまで、譲歩に譲歩を重ねた案まで提出したのに・・・
大統領選で勝利した共和党のトランプ氏まで、SNS上で今回の買収に反対を
表明した。何とまぁ・・・内向きな政策を続けるのか。中国が買収するならともかく、同盟国の日本ですよ。それでも民主・共和両党の大統領が認めないっていうのです。
これって何なのでしょうか?
どう考えても、米鉄鋼各社は過剰生産によって価格競争力で勝る中国勢の
攻撃に晒され、関税の引き上げによってかろうじて守られているのです。
それを何とかするには日鉄のノウハウを導入するしか方法がないことは
誰の目にも明らかなのにです。
日本の政財界から、米国ってどうなっちゃったんだ。ここまで内向きで、ご都合主義では話にならないとの声が上がるのも当然です。朝日も読売も、ここまでコケにされちゃ黙っちゃいられないと、一斉に米政権批判に転じました。恐々ですが・・・日経は何となく弱腰です。
米国にとって日本はどう見えているのでしょうか。
かつては世界一の鉄鋼会社であった名門企業USスチールを、従属国の日本如きが買収するとは何事だってことでしょうか?屈辱的ですね。
これだけは書いておきます。
買収を審査した米政府対米外国投資委員会(CFIUS)はバイデン大統領の強硬な姿勢は、政治的中立性や日本との同盟関係を損なうことに懸念を表明。
民主・共和党の有力者の中には「買収阻止でUSスチールの製鉄所は閉鎖され、何千人もの労働者が職を失い、ラストベルトは再び空洞化するだろう」とも。
これが米国の健全な声だと思うのだが・・・・
この屈辱的な状態・・・物申したい。
日本はこのまま、米国の同盟国を自認していて良いのか。
不平等に慣れてはいけない。あくまでも対等の関係であるべきではないか。
そのためには、政治が毅然とせねばなるまい。石破首相頑張れ!
経産省に骨がないのか。官僚たちの夏はどこへ行ったのか。
与党の政治家は何をしているのか。中国やロシアの批判には熱心だが、
米国から受けるこの屈辱には、なすすべがないのか。寂しい限りです。Goto
コメント