春闘・早々に満額回答で決着・・・どうする中小零細企業。
暖かくなりましたね。今日降る雨は「梅若の涙雨」と呼ばれます。
平安時代に人買にさらわれて東国に下り、隅田川のほとりで病死した梅若丸。
当時の人々は梅若丸を憐れみ、塚をつくって供養しました。木母寺には『梅若塚』が今も残っています。
それだけではありませんね。
室町時代には能の題材となり、それ以降も歌舞伎や浄瑠璃などで「隅田川物」と
呼ばれる多くの作品がつくられています。梅若丸が亡くなったのは旧暦の3月15日。先人は、梅若丸の悲しい運命を悼み、天が雨を降らせるのだと考えました。
春の雨はたしかに、シトシトと柔らかに降ります。
3月15日は二十四節気では啓蟄・七十二侯の次項で「桃始めて笑う」です。
この「笑う」は花の蕾が開くこと。古代中国では長寿のシンボルとされ、
日本でも霊力を持つと信じられてきた桃がほころびはじめる時季です。
春闘が始まりました。連合によれば、傘下組合の賃上げ率は平均6.09%だと発表。1993年春闘以来32年ぶりに6%を上回ったと。12日の集中回答日を前にして大手企業が早期解決・満額回答を出したからです。
背景はいくつかに整理されます。
輸出企業を中心に大企業の業績が好調だからです。円安の影響。
景気が良くなっているってことです。
労働人口の減少により、人手不足が深刻化。労働力を囲い込みたいからです。
物価高に対応しないと労働力を維持できないからです。
それと新卒の初任給をアップすることで全体の嵩上げによるものです。
賃上げにより労働条件が良くなることに何の依存もない。
賃上げできる大企業には6%なんて言ってないで10%以上あげるべきです。
大企業に人材が集中しますが、中小企業の経営者も腹を括って、賃上げすべきです。
しかし、この数字を押さえておかねばなりません。
大企業の労働分配率は30%以下ですが、中小企業は70%超であることを。
連合はなぜか?大企業6%・中小企業7%を目標にしています。
日本商工会議所は最低賃金の引き上げの中小企業への影響に関する調査結果を発表しました。2020年代に全国加重平均1500円にする政府の目標を巡り「対応は不可能」20%、「対応は困難」が54%で、75%が無理と。もちろん、中小企業の7%賃上げもかなり厳しいってことです。
これって何を意味するのか。
中小零細企業は賃上げできないのですから、働き手がいなくなるってこと。
つまりは成り行かなくなるってことです。廃業に追い込まれるってことです。仕方がないのです。賃上げができないってことは、社会から退場せざるを得ないのです。生き残る道はないのです。
乱暴な言い方ですが。誰かが。もちろん政府もです。助けてくれるわけはない。自然淘汰されるのです。それが現実です。「梅若の涙雨」ですね。
私は悲観しているのではありません。座して死を待つのではなく、経営者が
考えるのです。収益率を上げるにはどんな改良・イノベーションを図るのか。
または、業界の再編を目指すかとか・・
アバウトな言い方ですが、その情熱さえあれば、何とかなるものです。
「梅若の涙雨」は誰も梅若を取り返してくれなかった・・梅若の悔しさです。
そんな思いをしないように、中小企業は知恵を出そうではないですか。Goto
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