石巻日日新聞から

新年は、地域の鼓動から始まる

少し遅れたが、読みながら新しい年の始まり、私が必ず手に取る新聞がある。石巻日日新聞である。全国紙では拾い切れない、石巻エリアの息遣いが、そのまま紙面に定着している愛読紙だ。(私は地域みっちゃく生活情報誌『んだっちゃ!』を発行する宮城県石巻エリアを故郷だと思っている)

年頭恒例、紙面を飾るのは二市一町の首長年頭挨拶である。

石巻市長は、震災から十五年、心の復興はいまだ道半ばとしつつ、復興を実感できる社会の実現、そして将来世代に引き継ぐ持続可能な地域づくりを掲げた。もっとも、「将来世代に引き継ぐ」とは、まさか今期限りで勇退、という意味ではあるまい。やや抽象的だが、覚悟のほどは実行で示していただきたい。

対照的に、東松島市長は具体策を並べる。昨年が市制二十周年、好調な道の駅、第三次総合計画の始動、小学校給食の無償化、宅地開発支援。行政が前に出て地域を動かす姿勢は評価したい。ぜひ机上で終わらせず、現場で汗をかいてほしい。

女川町は今年、町制施行百周年を迎える。記念事業や恒例行事で町を盛り上げるという。給食完全無償化、公民連携の「チーム女川」。百年という節目は、単なる祝賀ではない。全国に散った町民が「帰ってみようか」と思える仕掛けがあってこそ意味を持つ。女川には発信力がある。日日新聞と共に、地域愛をもう一段深めてほしい。

石巻といえば、石ノ森萬画館。年末年始も休まず開館し、帰省客や観光客を迎え入れたという記事に、私は膝を打った。正月に開ける。たったそれだけのことが、どれほどの“心”を伴うか。餅つき、凧揚げ、絵馬ワークショップ。文化はこうして次の世代に手渡されていく。

五日には卸売市場が初競りを迎えた。魚、青果、花き。水産都市・石巻の矜持がそこにある。一次産業が元気であってこそ、地域経済は回る。花の文化を圏域に伝えていくという決意にも、静かな力強さを感じた。

商工会議所主催の賀詞交換会も、例年になく盛況だったという。石巻じゃ560人か駆け付け、「地方創生・空かける天馬のように」と見出しが踊る。東松島・200人が思い語らい、スピード感持ち躍進へと、鏡割りで活気を呼び込んだ。
商業界、産業界の表情が明るい年は、地域にとって良い年になる。

こうして紙面を追っていると、石巻エリアは確かに動いていると実感する。
私は今年も、石巻日日新聞から生きた情報を受け取りながら、地域の行方を見つめ続けたい。

日日新聞よ、今年も地域の灯であり続けてほしい。そして石巻エリアよ、今年も前へ進め。その鼓動を、私は楽しみに読ませてもらう。Goto

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