明日、総選挙が公示される。
各政党の政策も出揃った。出揃った、とは言うものの、正直な感想は「もう結構です」である。政党の数はやたらと多く、並ぶのは夢物語のオンパレード。読む側の忍耐力を試しているとしか思えない。
そもそもだ。
去年7月に参院選があった。衆院選から数えても、わずか1年3か月。その間、この国を取り巻く環境で何が変わったのか。答えは驚くほど単純で、「ほとんど何も変わっていない」。
米国ではトランプ大統領が、さらに先鋭化した。国際法などお構いなし。無謀と言えば無謀だが、それが世界最大の軍事・経済大国の現実である。本来であれば、日本の総選挙は「この米国とどう向き合うのか」が最大の争点にならねばならない。ところが、である。どの政党の公約を見ても、米国追従、対米従属を疑う視点は皆無だ。外交・安全保障に選択肢はない、という前提が完全に共有されている。
ならば問いたい。
政権選択の選挙で、最重要分野に選択の余地がないのなら、
私たちは一体、何を基準に選べばいいのか。
経済か。
自民も維新も「成長」「投資」「予算」を並べる。だが、経済成長が必要なのは全政党同じ。単年度予算を複数年で考える――昔から言われ続け、実現した試しはない。空公約の見本市である。大阪を副都心に、という維新の悲願も分からなくはないが、地方の形そのものを変える覚悟がなければ、地方対策にはならない。
物価対策はどうか。
国が直接できることは消費税くらいだ。しかも、飲食料品を「2年間ゼロ」にするか「恒久ゼロ」にするかの違いだけ。全党賛成なら、国会を開いて法案を通せば済む話だ。わざわざ総選挙の争点にする理由が見当たらない。
外国人問題も同様だ。
移民政策を真正面から問うなら話は別だが、
土地取得規制程度であれば、どの党でも大差はない。
憲法改正はどうか。
この選挙で本気で争うのかと言えば、そうでもない。
中道改革は議論を容認し、結局、これも争点になりきらない。
結局、自民・維新、中道改革(公明・立憲)、国民民主、参政――どれを見ても、違いが見えてこない。残るのは、「高市首相が好きか、嫌いか」だけ。
今どき、高校の学級委員選挙ですら、もっと意見の違いを示す。
真冬である。
雪を掻き分け、手をかじかませて投票所に向かう。それが「政権選択の選挙」だと言われても、首をかしげる国民は少なくないだろう。投票に行く価値がない、と言いたいのではない。
そう感じさせてしまう総選挙が始まること自体に、私たちはもっと皮肉と疑問を向けるべきだと思うのだ。Goto


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