新聞社の世論調査は民意を映しているのか
私は毎朝、6紙の新聞に目を通す。同じニュースを読み比べることで、事実の輪郭はより鮮明になる。事件報道などは情報源が共通しているため大差はない。しかし、世論調査となると話は別だ。
3月30日付の調査結果を見て、正直戸惑った。
内閣支持率――
毎日新聞は3ポイント減の58%。
日本経済新聞は3ポイント増の72%。
同時期でここまで違うのか。どちらが正しいのか、判断に迷う。
調査方法を見ると違いは明確だ。毎日はスマートフォンを対象とした「dサーベイ」で1918人の回答。対して日経は乱数番号による電話調査で941件。サンプル数、手法、回答者の属性――すべてが異なる。統計学的にどちらが優れているかは一概に言えないが、結果に大きな差が出る要因であることは間違いない。
しかし、それにしても差が大きすぎる。
新聞社の「カラー」が反映されているのではないか。あるいは無意識のうちに、調査設計にバイアスが入り込んでいるのではないか。そう疑いたくなる。
政党支持率も同様だ。
自民党は毎日28%、日経41%。この差は単なる誤差の範囲を超えている。共産党も毎日2%、日経4%と倍の開き。
一方、国民民主は両紙とも6%。
中道は毎日5%、日経3%。
チーム未来は毎日5%、日経3%。ここまでくると、もはや「民意」とは何か分からなくなる。
さらに気になるのは、こうした全国調査が毎月のように行われていることだ。本来、世論調査は大きな政策転換や重要な局面で国民の意思を測るためのものではないか。それが常態化し、紙面を埋めるための材料になってはいないか。
政党はその数字に一喜一憂し、支持率を意識して政策を微修正する。結果として政治は腰を据えた議論を欠き、右往左往する。これでは国家の進むべき方向が定まらない。
国民もまた、毎月の細かな変動にそれほど関心を持っているとは思えない。むしろ、短期の数字に振り回される政治に不信感を抱くのではないか。
加えて、野党の現状である。数字に表れない小規模勢力も含めれば、乱立状態で全体像が見えない。支持率が分散し、存在感も希薄になる。これでは政権選択の軸たり得ない。
率直に言えば、中道勢力や国民、公明などは一つにまとまるべきではないか。イデオロギー的な幅は自民党よりも狭い。であれば統合し、明確な選択肢を国民に示すことが必要だ。
現状では、高市政権が衆院を解散する理由は乏しい。であればなおさら、野党は統一し対抗軸を作らねばならない。
世論調査とは何か。民意を測る鏡であるはずだ。しかし、その鏡が曇っていては意味がない。調査手法の透明性、頻度の適正化、そして結果の扱い方――今こそ見直すべき時ではないか。
数字に振り回される政治から、志で動く政治へ。転換すべきではないか。Goto


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