イオンの農業参入に思う。
高度成長期に入った農業といえば、じいちゃんばあちゃんと母ちゃんで支える三ちゃん農家に、市場を都市部に求めた近郊農家が主流だった時代が続いた。
その後、減反政策、補助金漬け、それに高齢化が進み、担い手が減少、日本の農業は崩壊の危機にある。その打開策として、農業の近代化、法人化、工業化が叫ばれているが、規制に阻まれ遅々として進まない現状にある。
原因は、食糧問題をどのように考えるのか。第一次産業をどう捉えるのか。と言った国の基本的な政策が論議されないまま、工業製品と引き換えに安易な農作物輸入に頼る政治にあるのだが・・・・・。
ここにきて、外食産業に続き、大手のスーパー、イオンやヨーカドーが農場経営に乗り出した。
理由は消費者が食の安全に過敏になり、中国産の野菜に不安を抱いていること。
不況の影響で、川上から川下まで自社製品を供給することにより究極のコストカットが計れること。
それに規制の緩和により農業の法人化が可能になったことによる。(小泉構造改革によるものだが)
その結果、小規模近郊農家の崩壊。青物市場や農協などの問屋業が崩壊することになるが、時代の趨勢といわねばなるまい。
時まさに、政治の変革期。明治以来続いてきた社会構造が、聖域なく、根本的に見直され、改革される時代と、大手スーパーが、産業の根幹である農業に手を染めるのが一致しているのは偶然だとは思えないと、考えるのはうがちすぎであろうか。
イオンの農業参入が日本農業再生へ起爆剤になればと願いつつ。 Goto
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