普天間基地移転の問題点・・・・
5月末までに、普天間移設の問題を解決すしなければ、鳩山首相は退陣するか。もしくは国民に信を問え。と野党である自民党。それをマスコミは、5月末と言ったのは首相だからと・・尻馬に乗って報道している。
明日にでも、移転しなければ、日本が滅ぶかのような国会での論議と報道ぶりに、もう少し冷静になれないのかと思う。そもそも、自民党案でも、普天間移設は、2014年のハズ。今年は10年。まだ、4年あるではないか・・・・。
と、私が言うと。「何を言うか。5月末だと期限を切ったのは首相。政治家の言葉は重い。言ったことには責任を取れ」と・・・結論が出ないことを前提に、批判を強める。野党は批判するために存在するのだから・・・。それで良いのですが・・・。
ことは安全保障の問題。自分達の案がベストだと言うのは分かりますが。普天間をなぜ移転せねばならないのか?根本問題になりますと、すべての政治家の思考は停止状態になるようです。
誤解がないように申し上げて置きますが。私は日米同盟も安保も必要だという立場です。
冷静に考えてみます。普天間の基地を何のために移転しなければならないのでしょうか?
4点あります。
1、沖縄の負担を軽減すること。
2、普天間の危険を除去すること。
3、国民の負担を軽くすること。
4、抑止力を維持することです。
違いますか?その他、理由がありますか?あれば、教えて下さい。
1と2を解決するには、日本国内のどこかの県が引き受ける以外にありません。引き受けるべきです。岐阜県ならば、各務原市に航空自衛隊の基地がありますので、各務原で引き受けると手を挙げるべきです。そして、それが軍事的に可能かどうか議論すべきです。国民ならば、そうすべきです。
残念ですが、海兵隊ですから、海がない岐阜県では立地条件が成り立ちません。
3は、日本国内に米軍基地が必要かどうか。必要ないとするならば・・・。日米同盟を破棄すればよい。その勇気と決意が国民にあるのか?が問われる問題です。無いならば、安全保障には相応の負担をすべきです。当然です。
では、4はどうでしょうか?現下の国際情勢で、沖縄に海兵隊が必要なのでしょうか?本当に、抑止力になっているのでしょうか?万が一。抑止力になっていないとするならば、必要無くなるのですから・・・普天間を返還してもらえば済むことではないでしょうか?
そうなれば、1も2も3も解決するって事ではないでしょうか。
その議論はどうなっているのでしょうか?海兵隊は抑止力になっている。と国民も政治家も信じていることこそ、大問題ではないでしょうか。普天間の基地は抑止力に不可欠だと思っているのではないでしょうか?それを思考停止だと言うのです。
毎日新聞が4月3日付け「ニュースの争論」で、真正面から抑止力問題を取り上げています。
論争は、防衛審議官、運用局長を経て防衛研究所長の柳沢協二氏とテレビでおなじみの防衛庁OBの森本敏氏です。
要点だけ申し上げます。柳沢氏は中国の軍事力が強化されている。空域を中国軍に抑えられている現状で海兵隊のヘリ運用はできない。北朝鮮にはグアム、ハワイ、在日米軍、在韓米軍を含む米国のプレゼンス全体が抑止であって沖縄の一個大隊の海兵隊がこの地域の抑止力として不可欠なのかは疑問。だと・・・。
森本氏はアジア太平洋の全域に常に時間短縮で出せる体制を維持している。沖縄からグアムハワイに引くと時間差が出て抑止機能が落ちると・・・時間的な問題で抑止力があると・・・。
森本説に対して、柳沢氏は近いに越したことはないが、何十時間の差を説明し尽くす抑止力要素が、今まさに我が国周辺事態では見当たらない。海兵隊の役割、機能からして、沖縄に置く必要性はないと、時間が抑止力であるとの説は現状を理解していないと明確だ。
さらに、柳沢氏は「今まで日本政府はずっと「抑止力のために」と言い続けてきた。が抑止力の具体的な中身を説明していない。同盟協力の文脈、つまりグローバルな意味での米の国際秩序維持について、どう日本が評価して関わっていくかが重要だと・・・政府の責任に言及している。
森本氏が尖閣諸島に中国が出てきた場合の対応が遅れると具体的な脅威になる。と。柳沢氏は、日中二国間の対立に米が介入することはあり得ない。むしろ、自衛隊の防衛能力を強化すべき問題であると反論している。
さらに、中国は海空にアクセス拒否能力を強めている。海兵隊を台湾有事に投入できない状態にあると、中台問題にも触れている。そして、「抑止力」と言うが、その中身は日米の考えが一致しているかどうかは、疑問であるとも述べている。
だとすると、普天間海兵隊の基地の抑止力って何なのだ?とますます疑問になる。
この論争。最後に森本氏が「抑止力」については安保体制の中でもあまり触れていない部分だと、「抑止力」崇拝に自ら否定的な本音を述べて、紙面は締めくくられている。
二人とも、軍事の専門家。その二人の論争の結論は。そうなんです。沖縄の海兵隊は、日本の安全保障に機能しないのです。「抑止力」維持に役に立っていないのです。
4の説明が理解できなくなります。4が無力化するわけです。だとすれば、3をある程度増やせば、1、2は解決することになります。そうです。普天間の海兵隊の基地は、返還・代替地なしで良いのです。そうなりませんか?
抑止力に貢献していない基地を返還してもらう交渉を、なぜ政権は米国に迫らないのでしょうか?
私には、沖縄のことも軍事のことも真剣に考えていない、腹のない政治家ばかりだと思います。
沖縄の海兵隊は抑止力維持になるのか・・・・・・。政治家に頼ることなく、マスコミに踊らされることなく日本人として、ここは真剣に考えてみる必要があります。 Goto
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