新型うつ病

人間の尊厳とは・・・他者の痛みに思いを馳せること。
とても難しい問題ですが。私なりに考えて見ます。
文藝春秋5月号に連載されている「新型うつはサボリ病か」についてです。
この筆者の分析は、新型うつの特徴は「若者に多い」「職場以外は元気」「他罰的」である。
従来のうつは30代後半から急増。あらゆることに興味を失くし、自分を責め、外出も難しくなり抑うつ気分が続くのだが・・・
新型うつは20代が多く40代以上にはない。職場では元気がないが、自宅では趣味など楽しく過ごす。休職中にもかかわらず遊んで歩く。自己中心的で「うつになったのは上司や家庭が悪いから」と他罰的である。自ら積極的に「自分はうつ」だと医者に訴えるのも特徴。
「本人の性格と環境相互作用で起こった、現代日本の若者を象徴する病だ。患者本人がそのことを認識することから始め、治療に取り組めば、社会の新たな場所で活躍することは充分に可能である」と結論づけている。
蔓延する「うつ」をどのように捉えたら良いのか。
日本社会の長期における閉塞状況が生み出した現代病と捉えるべき。
そこそこの経済的豊かさがハングリー精神を枯渇させ甘えの構造を生み出した結果である。
医師の安直なレッテル貼りが、無為の若者を患者にしたてあげている。
人は弱いものです。自分を逆境に追い込むよりも、安易に怠惰に享楽に流れ易い。
外敵要因がそれを、助長してくれれば、我が意を得たりと、弱音を正当化できる。
一度、精神が緩み、気が抜けると、そこから抜け出すのは至難となる。
それを、メディアが現代病「うつ病」と煽り、その解決方法をより複雑化させることで、社会問題化している。メディアの作るメディア病と呼んでも良いのかもしれない。それに医師の勉強不足によって生じる最も簡便な病名である「ストレス」では、勉強不足の露呈になるので「うつ」と軽々に診断する。その結果、患者連鎖を招き「新型うつ」がさも、重大な現代病であるかのように社会に蔓延する。
すべての生きとせ生けるモノ・・・生物は、自然環境に翻弄されながらも・・・生き抜くモノのみが生き残れる。人間だとて例外ではない。ただ、人間には他の生物にはない尊厳がある。それは、他者の痛みを自らのものと感じ、他者のために何ができるかを考え、行動できること。
新型うつなる病が、適応障害なのか。現代病なのか、私には判断が付かないが。
人間の尊厳である他者の痛みを自分に置き換えることができれば「うつ」に悩むこともないだろうと思うのだが。余りにも一面的な分析だろうか。Goto

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