「入(にゅう)日本化」の思想に大相撲のあるべき姿を見る・・・
好角家と致しましては、大相撲でモヤモヤしていたことが整理され・・・
スッキリしましたので、書き留めたいと思います。
それにしてもです。最近、何か不祥事があると組織される「第三者委員会」と称する会議、
一見独立しているように見えますが、問題の本質を本当に理解しているのかと
疑問に思う結論や取りまとめが多いように思えます。
しかし、何かと問題が多い日本相撲協会ですが。
その協会が依頼した第三者機関「大相撲の継承発展を考える有識者会議」・・
2年間に及ぶ審議の結果、提言書を提出、他の機関とはひと味違いました。
大相撲をこよなく愛する人たちで組織されたようで、実に中身の濃い内容です。
八角理事長は「大変貴重なご提言を頂き心から感謝している」と受け取りました。
相撲協会がこの提言をしっかりと消化し反映すれば大相撲は健全に継承されるでしょう。
私がモヤモヤしていた事の一つは、国際化と称す外国人が増えたことです。
有識者会議は「国際化」を曖昧な表現だとして、多様な外国出身の力士が
活躍するようになった現状を「多国籍化」と呼ぶと整理しました。
そして、日本の大相撲の伝統と習慣を受け入れることを
「入日本化」と表現すべきとしました。
大相撲に弟子入りする力士の卵たちは国籍がどこであろうと、
大相撲は五穀豊穣を祈願する神事が起源です。江戸時代の「勧進相撲」を経て
今の相撲協会が成り立っています。神事・文化・芸能・スポーツが渾然一体となっています。
国際化された柔道や剣道とは同じ日本固有の武道でも違います。(読売)
「入日本化」の視点を取り入れる発想に納得です。
私的には現親方の中に「入日本化」が理解できていない人がいます。
そこから、この提言を消化して欲しいと思います。
外国籍で日本国籍を取得して初めて部屋の親方になったのは、
元関脇・高見山の東関部屋です。
その東関部屋には親方が掲げた「十の心」があります。
提言をまとめた、有識者のみなさんの根底に、
この十の心があったのではと、私は思いたい。
東関部屋・・・・十の心
1・おはようという親愛の心
1・はいという素直な心
1・すみませんという反省の心
1・どうぞという謙譲の心
1・私がしますという奉仕の心
1・ありがとうという感謝の心
1・おかげさまでという謙虚な心
1・お疲れさまという労わりの心
1・負けるものかという忍耐の心
1・嘘をつかぬという正直な心
因みにこの有識者会議の委員長は、山内昌之東大名誉教授です。
「相撲道には独特な文化のコク、相互諒解のアヤがある。
親方の稽古指導や、本場所の経験で得られる。
苦しい稽古で判断力を培い品性も磨かれる」
「多国籍化が進んだからといって相撲道に反する技や振る舞いが輸入されるのは
国技としての大相撲にはあり得ない。日本の文化や歴史という伝統を、大相撲が
体現していることを確認することが重要だ」
「体重制限のない格闘技ながら、軽量力士が重量力士に勝つことこそが
大相撲独自の品格や特性。大相撲を変容させかねない「脱日本化」の
方向をめざすべきでない」・・・・全く同感です。Goto
コメント