専門調査機関の試算では23年度に日本の経常収支が赤字になります。
どうも緊張感がないようで、とても心配なのですが・・
この実態をメデイアはしっかりと報道すべきではないでしょうか。
どんなことかと申しますと、日本の経常収支が急速に悪化していることです。
財務省・2021年度の経常収支は12兆6442億円の黒字だったと発表しました。
黒字なんだから、別段、心配することもないだろうと思われるかも知れませんが。
民間の専門調査機関によれば22年度は4兆5000億円の激減すると予想しています。
16兆円だった20年度から2年間で4分の1に縮んでしまいます。
これが赤字になれば、円安が加速し、国の財政運営が制約されることになります。
赤字が何を意味するか。そのことをメデイアはしっかりと報道せねばなりません。
黒字だから大丈夫だと思っているならば、それこそ「平和ボケ」です。
国の財政は大きな規模です。一度赤字になれば、簡単に黒字化することはできません。
貿易赤字はすでに慢性化しています。日本企業の子会社からの配当金などの
所得収支が黒字であることで、国際収支は持っていますが・・・それも危なくなったのです。
考えてみて下さい。経常赤字は国全体で資金が足りなくなることを意味します。
国の借金は1200兆円あります。国際金利が上がれば、財政運営が窮屈になります。
慢性的な財政赤字を家計などの民間部門で穴埋めできずになりますと
海外で国債を買ってもらうことになります。国力は想像を絶する勢いで低下します。
イソップ寓話にこんなのがあります。
池を藻が覆い尽くすと池の水が腐って池が死滅する。藻は毎日倍々に増える、
28日間で池を覆ってしまうとしますと、半分覆うのは何日目ですか・・
そうです。27日目です。まだ半分しか覆っていないから大丈夫だなんて・・・
このまま、太平楽を決め込んでいれば、その危機が23年度に襲ってきます。
そのことを心配しなければならないのは、メディアです。報道機関です。
危機を煽っていても仕方がありませんが、これだけは言えます。
貿易収支が赤字の要因は化石燃料の高騰にあります。
幾ら海外で稼いでもエネルギーの輸入コストが減殺する構図に変わりはありません。
11年の東日本大震災以降、全国の原発を止めて、化石燃料への依存が強まった状態を
放置してきたツケが大きいのは明白です。
敢えて申します。今やれることは一つだけです。
原発を稼働させ原油などの輸入量を下げる、そして経常収支が黒字であるうちに
経済成長への舵を大きく切る。それしか、この国の未来はないと私は思います。Goto
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