不易であれ・・・

教育の目的は企業戦士を育てることではない・・
最近、世の中を斜めに見ているわけでもないのに・・(昔は見ていました)
頷くことが少なくなりました。納得できることに出会わないってことです。
それが・・私の愛読誌・文藝春秋の巻頭随筆・・に思わず「そうだ」と。
筆者は藤原正彦氏(作家・数学者)タイトルは「的外れにつぐ的外れ」
内容は・・・教育改革こそがすべての社会改革の原点だが、何をどう改革したらよいのか
分からない。それがどこの国でも教育改革がうまく行かない所以だ。
人は皆、教育には一家言を持っている。「親が悪い」「先生の質が落ちた」「文科省が
なってない」「時代が悪過ぎる」などなど言う。私は文科省責任論者ですが・・・
すべて真理だが、これでは具体策には繋がらない。専門家も同様「ゆとり教育」
「個を育てる」「人権教育」「グローバル人材」「生きる力」「指導ではなく支援」
「勉強や学習ではなく学び」などなどであるが・・・
こんな言葉遊びをしていたから・・・2000年ごろまで、恐らく江戸時代初期の頃から、
ずっとダントツに世界一だった日本人の基礎学力は著しく低下してしまった。
私は戦後の民主教育が全てだと思っていますが・・・これも言葉遊びかなぁ。
昨今は酷すぎる・・・起業家精神が不足しているから、起業で成功した人を呼んで
起業の啓発を「小中高」で教えるとか、「金融教育」なる教育も始まった。
米国ナイズである。生徒が仮想的に株を買い、3ヶ月後の損得を競ったりする。
教育学者たちが「小学生が経済欄や株式欄に目を通す」ようになったと喜んでいる。
実に馬鹿げています。私もそう思います。
小学校の英語教育は20年から3年生から必須に。母国語を確立するための
最重要な時期に外国語を教える意義がどこにあるのか・・・藤原先生、大いに怒っています。
数年後にはスマホに実用可能な自動翻訳機能が搭載されるというのに・・そうですよねぇ。
15歳を対象とした国際学力調査(PISA)で日本の生徒の読解力低下が問題となっている。
私も老化で読解力が著しく低下していますが・・・その原因は文学における登場人物の
心情解読の重きを置いたこれまでの国語教育が間違いと考え・・論理国語に重点を
移すようだ。六法全書に「恋という字はない」と思うのだが・・
日本人の独特な細やかな感受性は我々の宝だが・・と先生大いに嘆きます。
ここからが私は大いに同感なのであります。納得なのであります。
24年からデジタル教科書が導入される。この最大の難点は「紙の本」に対する
愛着が育ちにくいことだ。その通りです。
これにはびっくりですが・・・約200万人の小6と中3を対象にした調査では、
家庭における蔵書数と子供の学力には見事に相関している。親が本を読むと
子どもも本を読み読解力がつくから学力が上がる・・当然のことだ。
引用が長くなりましたが・・・教育の目的は企業戦士を育てるのではない。
人間を育てることにある。高い基礎学力、人間の根幹を作る初等中等教育では
安易に流行を追ったり他国に追従するのではなく・・不易を旨とすべしだ。
私は親父殿に・・・日本語を学ぶ足しで中国の古典に触れろと言われたものです。
親の教えに従順であれば・・もう少しマシな人間になっていたろうにと反省です。
ですから、今更ながら、古希の手習いで基礎を学んでいます。遅すぎますね。Goto

コメント