新聞は「時事を知り時代を解する」ことができます。
10月16日付の読売新聞の夕刊、「よみうり寸評」・・・
新聞命の私です。感情が高ぶりグッとくる記事に出会いました。
新聞格あるべし・・思わず目頭が熱くなりました。
私なりに咀嚼して紹介します。
漂泊の俳人、種田山頭火・・彼には世捨て人のイメージを抱く方は多かろう。
彼の日記を読むと彼の印象が変わるかも知れません。
1938年に没しましたが、その2年前に・・こんなことを綴っています。
終戦の7年前です。軍国主義に染められた時代です。
「新聞を読んで、時事を知り時代を解することは私たちのつとめであり
なぐさめであり、勉強でもある」「どうしたのか、今朝は新聞が来ない
ような気がする」(某中日記)・・・前置きです。
新聞を通して世の中のつながり、日々の明け暮れを実感してもらいたい、
大本営発表に基づく記事に埋め尽くされたその後の紙面を知る身には、
無邪気とも思える新聞への信頼が面映ゆくも苦しい・・・
・・あの時代の新聞をこう表現する・・・
厳しい言論統制に代わって、今は偽情報が真実を覆い隠す。
人間が本来なすべき領域を人工知能が侵食し、帝国主義時代の
遺物のような侵略戦争が国際秩序を揺るがしている。
中東で起きた軍事衝突の先行きも見えない。
・・今を簡潔に分析する・・・・
世の中が漂泊の境涯に落ちそうな時世に新聞週間が始まった。
「時事を知り時代を解する」ーー強まっているであろう読者の
欲求を深く胸に刻む・・・自省を込めたこの切り方にグッときます・・・
新聞がなすべき役割。新聞が、いま、現在に、存在する意義をこれほどまでに
端的に語る「よみうり寸評」氏に敬意を表したい。
新聞週間は日本新聞協会の主催です。新聞人への警鐘を鳴らしています。
夕刊の発行部数が如何にも少ない。この地方で、読売新聞の夕刊は発行されていない。朝日も毎日も廃刊した。歯を食いしばっているのは中日と日経だけ。
とりわけ中日の夕刊は趣向を凝らし、内容も充実している・・
ぜひ、購読して欲しいと願うのだが・・・読まれないことが如何にも残念です。
もしも、新聞が発行されなくなったならば・・・
新聞命の私としてはそら恐ろしい気がする。
でも、読売新聞・夕刊に掲載される「よみうり寸評氏」が筆を置かない限り
新聞は死なないと信じます。Goto
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