師走

笑う門には福来る・・・・
病院の待合室。風邪の治療で、結構混み合っている。
取り分け、全体の80%近くが年配者。目線が低く、会話もなく、室全体が、暗くて重い。
そこに、現れた幼児連れの若いお母さん。たぶん、風邪なんだろう。誰かに預けて、一人で来ればよいのに。子供に感染したら・・・。と思うのだが、そうもいかない事情があるのだろうか。
その母子、一角に腰を下ろし、順番を待つ。と、その幼児。隣のおばあさんを見て、何を思ったか?にっこりと笑顔。それを見た、後ろの席のむっつりしていたお爺さん。思わず目を細める。その横の女性も・・・。子供をあやす。
幼児は声をあげ「キャキャ」と笑う。重苦しい雰囲気の待合室、誰もが、幼児に目線が移り、その笑顔に室全体の緊張が解け、室が和む。「私の治療よりも、幼児の笑顔の方が、患者の心を癒すんだよ」と、この道40年の内科医。
師走に入り。世の中は、まるで病院の待合室。暗い重い影が巷を覆っている。景気最優先を標榜する政府が、テロ特法(給油法案)を通すために、国会を延長しながら景気対策に二の矢を打たない。
この不況に手を打たない政府が悪いのか?第一次補正で、年度末(来年三月)までの治療は済んでる。と、官僚答弁を繰り返す政府(病院)を選んだ国民(患者)が悪いのか?私にはわからないが。
延長国会で、直接医療に関われない患者(野党)が、独自の経済金融対策法案を提出すると言う。その内容は、ガソリン税の廃止。高速道路の無料化により物流と人の活性化を呼び起こす。
中小企業の保護、地域金融の円滑化などにより地方経済疲弊を打破する経済対策に重点を置く。それに、子供一人に月2,6万円支給する子育て支援(定額給付金より将来性がある)など、緊急対策が目白押し。
所詮。国会の現勢力地図では、野党の法案。国民(患者)の治療には届かないのだろうが。実現が困難な野党案でも、次々と対策を講じる姿勢が、国民に安心や希望を与えるもの。
思うに任せぬ師走だが。さあさあ。そこの君!!暗い顔して、そんなところに座りこんでいないで。
まずは、幼児に見習って、笑顔。笑顔。笑顔だよ。
笑う門には福来る。                          Goto

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