男子の本懐
民主党小沢代表の秘書が逮捕された件。もう少し時間が立たねば全容は分りませんが。
現時点で、市井のおっさんとしてのコメントを述べてみたいと思います。
その前に、この処の政治の動きで二点申し上げたいと思う事があります。
一点は、郵政民営化を阻止して郵政利権の復活を狙う総務官僚の大逆襲についてです。
鳩山総務相の「かんぽの宿」一括売却契約を破棄させる。東京中央郵便局の建て替え工事を強引に差し止めさせる。など、一連の民営化阻止の動きは、郵政を国有に戻そうとする郵政族と官僚の暴挙です。
自らの省益利権のためには、国会で決めたことでも簡単に覆す。国民の審判を受けたことでもなし崩し的に潰す。とても法治国家の対応とは思えません。これでは、行政のフアッショです。国民は何を信頼して良いのか分らなくなります。
もう一つは、財務相が言及した09年度政府経済見通しの下方修正です。「あらゆる経済指標は下向きである。いつまでもこれを、放置するのは誠実でない」との発言です。
今まで、財務担当が年度途中に、その年度の経済予想の下方修正に言及することはありませんでした。なぜなら、下方予想すれば、マインドが下がり、さらに景気は悪化するからです。
それを承知で、あえて下方修正に言及したのは、まだ21年度予算は参院で審議中にも拘らず、その後の大型補正予算を組むためです。私にはよく理解できないのです?だったら、審議中の21年度予算を大型にすれば良いハズです。が、
この発言の意図は、大型補正の審議で時間を稼ぎ、経済対策を人質に、人気のない現政権と政権にしがみ付く与党の延命工作。つまりは衆院解散を任期満了まで先延ばしするための発言です。
政治は国民のためにあるもので、官僚や与党のためにあるのではありません。
で、小沢民主党代表の秘書逮捕についてのコメントです。
秘書が起訴されたなら、その時点で、潔く「議員辞職」すべきです。民主党代表を辞任するのではありません。「議員を辞職」政界から身を引くべきです。
時代は移り行くのです。日本の高度経済成長最後の遺物である、自民党的体質の政治家の引退です。彼が政界から身を引けば、本家自民党内に巣食う同質の遺物も一蓮托生です。
政治とは非情でなければならないと思います。小沢氏が目指した政権交代可能な二大政党は、自らの辞職をもって可能になるでしょう。民主党は彼の屍を乗り越えて進めば良いと思います。
それが、自民党を飛び出し、新しい政治の時代を作ろうとした彼の政治信念であり、生き様と合致し、末路に相応しいと言えます。時代が変わるということは、誰かの犠牲の上にしか成し得ないと歴史は証明しています。
と、考えますと、小沢氏が変えようとした日本の政治は、国民不在である、郵政民営化の針を逆回りさせることに顕著に表れている官僚政治、利権と延命に汲々とする自民党政治を終焉させることです。
それが政権交代です。自らの政治生命を絶って、政権交代可能な状況を作り上げるべきです。
彼は、現体制を倒した後、日本を如何なる「かたち」にすべきかについて言及していません。
彼の役目は、そこまでだと、自分で認識しているハズです。
だとすれば、歴史の皮肉なのかも知れませんが、自らの政治的役割を、自らの辞職で果たすことになります。そうなれば、それこそ、それが、彼の本望、「男子の本懐」ではないかと、思います。
Goto
コメント
地球の裏側からのコメントありがとうございます。最近のマスコミは、自らの欺瞞は棚に上げ「潔癖」症候群です。それを、私はNHK病(規則、法則、規律の厳守。前例踏襲こそ命)と呼んで(嫌って)いますが、これでは息が詰まりそうです。
人間清濁併せ飲んでこそ、人間です。世知辛い世の中になりました。そうさせているのは、何なんでしょうか?私にはわかりません。ただ、無菌国家を目指すようでは、何時か来た「神国」への道を辿る様な気がします。
Goto
なかなか小沢問題に触れないので、いつ書くかと楽しみにしていましたが、書けば一刀両断でしたね。
映画のようには行かないでしょうが、「自分の(政治生)命と引き換えに、新しい夜明けを迎える。」
という筋書きは素晴らしいものです。誰か小沢さんにこのブログを教えてあげると良いですね。
ブラジルでは、政治家は常にポケットにお金を取り込む人たちですので、NHKが1時間おきに放送する
西松建設関係の金額を聞いて驚きます。「(トップNEWSなので)億かと思ったら千万、百万円ですか?」
地球の反対側では、日本人の潔癖さにあきれる一面もあります。