報道の自由

日本ほど報道の自由が保障されている国はない。と思っていたんですが。
「国境なき記者団」(国際ジャーナリスト集団)による世界173ヶ国を対象とした「報道の自由度ランク」で、日本は29位。前年の37位からランクが上がり、アジアでは民主主義の根付いた国と評価されているそうです。
因みに、上位はアイスランド。ルクセンブルク。ノルウエーの欧州三ヶ国だそうです。審査の基準は、政治の民主度や報道の質ではなく「報道の自由の度合い」だそうです。
審査は取材する記者が迫害や規制を受けず、メディアへの検閲や圧力もなく、メディアへのタブーがないことなど50項目に及ぶとのこと。
日本にたいする評価は記者クラブ制度と国際会議での弱小メディアへの取材アクセスが難しいのが、減点の対象になっているようです。
つまりは、大新聞(特定の報道機関優先)中心の取材網(報道機関が報道機関を締め出す)への批判と国際取材への対応の悪さ(多分閉鎖的なんでしょう)が問題だとの指摘です。
日本では報道の自由を「表現の自由」と捉えています。英語圏では報道機関の存続を意味します。そこに大きなギャップがあるようで、「報道の自由度」を同じレベルで比べるには無理がある気がします。
しかし、記者クラブ制度によって、既存の報道機関が弱小の報道機関を締め出す(迫害)弊害が生じているのは事実です。それをこのランクが指摘しているとするならば、既存の報道機関は謙虚に耳を傾けるべきではないでしょうか。真の報道の自由を勝ち取るために。
私たちが、なんの疑問も覚えず、毎日触れる世界のメディア報道。
その裏には、「報道の自由」を巡って、様々な葛藤が繰り返されていると思うと・・・・・。
記者が選ぶランク29位の日本。
民主主義が成熟するプロセスの難しさを改めて感じます。                     Goto

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